<概 要>
琉球大学は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が公募する「次世代科学技術チャレンジプログラム(STELLA)」の令和6年度公募へ企画を提出し、書類審査および面接審査の結果、同事業の「小中高型」に採択されました。
採択にあっては、本学は「琉大STELLAラボ(仮称)」をはじめとしたプログラムを支える学習環境の構築や、プログラム受講前後の支援プログラムを整備するとともに、これまでに行ってきた各種の次世代人材育成事業の成果を発展させ、小学校高学年~高校生において理数分野に優れた意欲・能力を持つ児童生徒を発掘し、個別最適な学び(アダプティブ・ラーニング)を取り入れた「小中高一体型」のSTEAM型人材育成プログラムの展開により、日本の科学技術人材育成のフロントランナーを目指します。
(1)琉球大学STELLAプログラムの企画概要
企 画 名:「津梁と創造の小中高一体型次世代科学技術イノベーター育成プログラム」
形 態:JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)委託事業
対 象:小中高型(小学校5年生~高等学校3年生(高等専門学校は3年生まで))
支援期間:2024年度~2028年度(5年間)
支援金額:4,000万円/年(5年間で最大20,000万円)
企画概要:
琉球大学STELLAプログラム概要図
小学校高学年~高校生において理数分野に優れた意欲・能力を持つ児童生徒を発掘し、「小中高一体型」のSTEAM型人材育成プログラムのもと、本学のこれまでの取り組みの知見を総合的に活用し、個々の受講生の学齢や発達段階を考慮した個別最適な学び(アダプティブ・ラーニング)を取り入れたカリキュラムや受講生の能力(コンピテンシーおよびエージェンシーを含む)の伸長を促す取り組みを行います。また、「琉大STELLAラボ(仮称)」をはじめとした受講生を支える学習環境の構築やプログラム受講前の児童・生徒へのボトムアップ型キャリア教育事業および修了生の大学進学後の支援プログラム整備など、長期的な人材育成の視点に基づく体制を構築し、次世代の傑出した科学技術人材の育成を行います。
(2)申請の背景と今後の展開
本学は、中学・高校等の中等教育現場や沖縄県教育委員会との連携による科学人材育成教育にも力を注いでおり、SSH校をはじめとした学校における探究授業への大学教員の派遣や研究活動、評価手法のアドバイス、児童・生徒の研究発表を後押しするシンポジウムの開催等を通して小中学生・高校生の教育・研究活動を支援してきました。
これらの取り組みをより促進するため、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の支援を受けて、小中学生対象の「ジュニアドクター育成塾(琉球大学での事業名:「琉大ハカセ塾」)」事業、高校生対象の「グローバルサイエンスキャンパス(琉球大学での事業名:「琉大カガク院」)」事業、主に女子中高生・保護者を対象とした「女子中高生の理系進路選択支援プログラム(琉球大学での事業名:「琉球リケジョ」)」事業を始めとした次世代人材育成事業を展開し、各事業が連携・接続しながら、人材育成に取り組むとともに、沖縄県教育委員会や学校・教育機関、元の企業で構成する地域コンソーシアムの拡張などを通して、地域の科学教育を牽引してきました。
今回のSTELLA企画申請・採択にあたっては、これまでの取り組みの知見を総合的に活かし、特に琉大ハカセ塾および琉大カガク院の育成カリキュラムや評価手法等の知見・ノウハウを十全に活用することで、長期的視点に基づいた児童・生徒の育成を行う「小中高一体型」のSTEAM型人材育成プログラムの展開により、日本の科学技術人材育成のフロントランナーを目指します。
(3)企画申請に関する主要教員近影
補足:次世代科学技術チャレンジプログラム(STELLA)について※
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が実施する委託事業で、科学技術イノベーションを牽引する次世代の傑出した人材の育成に向け、全国の各大学・機関が理数系に優れた意欲・能力を持つ小学校高学年~高校生を対象に実施する各種の育成プログラムの開発・実施を支援するものです。令和6年6月時点において、本学を含め、全国22の大学・機関(小中型11件、高校型6件、小中高型5件)が採択されており、JSTの支援を受け、各大学・機関独自のプログラムを実施しています。詳細については、以下のウェブサイトをご参照ください。
JSTウェブサイト: https://www.jst.go.jp/cpse/stella/
※文部科学省およびJSTが実施してきた「グローバルサイエンスキャンパス」(高校生等が対象・平成26年度開始)および「ジュニアドクター育成塾」(小中学生が対象・平成29年度開始)を背景とし、令和5年度より、これらの事業を発展的に統合し、第6期科学技術・イノベーション基本計画等を踏まえ、新たに「次世代科学技術チャレンジプログラム」として展開しています。