お知らせ

令和2年度 琉球大学イノベーションイニシアティブ(URI2)活動報告

 琉球大学イノベーションイニシアティブは、本学が地域共創および産学官連携の両面において、地域社会のイノベーションを先導していくための取り組みです。令和2年度より本学の研究准進機構と地域連携推進機構が連携して活動を開始しました。昨年度は下記の4つのプロジェクトを進めてきました。さらに、科学教育(STEAM教育)研究センター(仮称)設置プロジェクトも検討を開始しました。 
 令和3年度もこれらのプロジェクトを継続して実施する計画です。

令和2年度の主なプロジェクト
・<地域公共政策士ネットワーク>
・<首里城再興学術ネットワーク>
・<資源循環型共生社会実現に向けた農水一体型サステイナブル陸上養殖のグローバル拠点>
・<ポストコロナ社会実現研究プロジェクト>

関連サイト・資料
琉球大学イノベーションイニシアティブ ウェブサイト
News Letter vol.27(関連特集記事)

 

<地域公共政策士ネットワーク>

 琉球大学では、「沖縄産学官協働人財育成円卓会議」の提言を受け、新たな価値を創造できる人材や国際性豊かな人材の育成に向けた「目的別人材育成プログラム」を社会人および学生向けに開講しています。令和元年度にこれらの科目の一部が一般財団法人地域公共人材開発機構の資格制度「初級地域公共政策士」の認証科目制度に認定されました。

 令和2年度には、Zoom等によるICTを活用した自治会など地域コミュニティの運営支援、後学期の「地域企業(自治体)お題解決プログラム」(初級地域公共政策士資格対象科目)による学生と社会人受講生(自治体職員等)に地元の高校生を加えた3者協働でのまちづくりの提案、そして「SDGsで学生と地域をつなぐ」アプリ開発などに取り組みました。

 令和元年度に初級地域公共政策士13人が沖縄で初めて誕生し、令和2年度には20人が資格を取得しました。令和3年度も「初級地域公共政策士」資格取得のための科目履修制度を開講します。


自治会など地域コミュニティのICT活用支援の様子

 

<首里城再興学術ネットワーク>

 「首里城再興学術ネットワーク」は本学の理系文系の枠を超えた多様な分野の教職員や学生だけではなく、他の研究機関や自治体、地域のみなさんとともに活動する場とし、学術的に首里城再興に貢献することを目指しています。令和2年度は、以下の大きな3つの目標を掲げて活動しました。

(1)組織の枠を超え首里城再興に学術面から貢献するプラットフォームとする
 首里城再興学術ネットワークシンポジウム2020を開催し、基調講演、研究発表、パネルディスカッションにより県民への情報発信を行うとともに、各登壇者からネットワークへの提言を頂きました。また、ホームページ(HP)の公開(令和2年1月〜)や、ツイッター(369件のツイート、183フォロワー、3/5現在)などのSNSを開設し情報発信を行いました。さらには、首里城関連のニュースを網羅したメールマガジンを24回(3/5現在)、特集記事を2回発行しています。

(2)首里城再興に貢献する研究・教育を振興する 
 首里城再興研究プロジェクトを創設し、学内公募を4件採択し研究を実施しています。さらにそれらを本学広報誌への掲載をはじめ、HPでの紹介、シンポジウムでの発表等、研究活動の情報発信を行いました。

(3)ワークショップ・シシンポジウム等を重ねることでネットワークを拡充する 
シンポジウムは会場での開催とWeb配信のハイブリッドで行い、会場参加者70名、Web視聴累計は1,700回余となりました(3/5現在) 。


首里城再興学術ネットワークの活動紹介ポスター

 

<資源循環型共生社会実現に向けた農水一体型サステイナブル陸上養殖のグローバル拠点>

 JST 「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT) 」育成型に採択され、令和2年12月より本学の学際的チームと沖縄高専、中城村、オリオンビール、メイキット、マチス教育システムが参画する産学官連携研究プロジェクトがスタートしました。持続可能な社会の実現に向けて沖縄をベースに「食」とエネルギーの循環社会モデルの形成を目指します。
 令和2年度には、活動の拠点となる中城村養殖技術研究センター(NAICe)の設備運営・改良、陸上養殖技術シンポジウムの開催(3月24日開催/97名参加)、新たな連携の拡大を進めてきました。

 持続可能社会は世界的な課題ですが、資源・環境制約と経済を両立することは容易ではなく、社会モデルの転換が必要です。本研究プログラムでは、解決策として沖縄をベースに「食」と「エネルギー」の循環社会モデルの形成を目指します。その基本的な考え方は、個別問題の最適化ではなく複数の問題を相互に連携し、包括的に解決する全体最適化です。主な要素技術としては、閉鎖循環型陸上養殖、再生可能エネルギー、廃棄食料の資源化等ですが、それらについてデジタル技術を屈指して連携し、最適な循環社会を実現することを目標とします。本モデルは沖縄だけでなく、亜熱帯海洋性の島嶼モデルとして、東南アジアの循環社会モデルとなることを目指しています。


中城村養殖技術研究センター


陸上養殖をしているヤイトハタ

 

<ポストコロナ社会実現研究プロジェクト>

 新型コロナウイルス感染症の拡大をうけて、本学では医療、研究、教育の環境整備を最優先に進めてきました。その中でコロナ禍における様々な社会課題が浮き彫りになり、大学がどうやって地域の社会課題を解決していくかを考えていく段階にきています。大学の総合知を活かし、ポストコロナ社会における社会システム(コミュニケーション、教育、文化、観光、経済等)や技術(情報、非接触、遠隔等)に関する研究を支援するため、「ポストコロナ社会実現研究プロジェクト」を開始しました。
 令和2年度より4件の研究プロジェクトが始動しています。
 WebサイトURL http://covid19-r.skr.u-ryukyu.ac.jp/

研究プロジェクト
(1)ポストコロナ社会における学校と地域社会のニューノーマル
(2)ICTを活用した「令和の日本型教育」実現のための学校支援システムの開発
(3)ポストコロナ:太平洋島嶼における健康・安全な社会・学校づくりに関する研究
(4)Postコロナ、Withコロナ社会でのVR/ARを用いた医療系学生のための臨床実習支援プラットフォームの開発


ポストコロナ社会実現研究プロジェクトWebサイトトップ画面