~2020年、琉球大学は開学70周年を迎えます。~
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令和2年3月10日(火)、琉球大学誕生の地でもある首里城の再建を学術的な視点から貢献しようと、本学の教職員らによる首里城の焼失現場を視察し、再建を巡る課題についての意見交換会を実施しました。今回の視察は、本学と首里城公園の管理運営を担う(一財)沖縄美ら島財団との連携協定に基づき、同財団の特別の計らいにより、一般には公開されていない制限区域内において財団職員の説明を受けつつ行われました。
火災現場に向かう前に説明を受ける参加者
本学から参加したのは西田睦学長をはじめとした教職員らおよそ40名で、建築を研究する工学部のほか、理学部、農学部、国際地域創造学部、人文社会学部、教育学部、貴重資料の保存や公開を担当する附属図書館、さらには研究推進、地域連携、グローバル教育および大学本部といった運営組織も含めた幅広い専門分野を持つメンバー構成でした。
本学は「首里城再興学術ネットワーク」の構築を目指し、12月にシンポジウムを開催したほか、ウェブサイトを開設し情報発信をしており、今回の現場視察はそれら活動の第3弾となります。
焼失現場は、現場検証も終わり瓦礫の撤去作業もはじまっていましたが、燃えて炭となった柱や砕けた瓦など、まだまだ火災の爪痕は残っており、失ったものの大きさを感じるには十分でした。
意見交換会の様子
視察を終えた参加者は、首里城を管理する沖縄美ら島財団および国営沖縄記念公園事務所と意見を交わし、再建に向けて情報を共有していくことを確認しました。これら現場視察や意見交換会によって、防火体制や文化財の管理、観光、周辺のまちづくりなどについての学術的な課題が浮かび上がりました。
また、参加者にとって、実際の現場に立つことで、首里城や周辺のまちづくりに関する研究や教育プログラムなどについての様々な発想ができ、今回の視察は非常に有意義でした。ご協力いただいた沖縄美ら島財団および国営沖縄記念公園事務所のみなさまには深く感謝いたします。
今回の視察と意見交換会を終えて、西田睦学長は「いろいろな研究課題が見えてきており、いよいよ具体的な研究面での貢献をしていく」と話しています。本学は地域に貢献する大学として、学内公募による研究プロジェクトの実施や、組織の枠を超えたネットワークの構築、新しい教育プログラムなどの実施をしていく予定です。