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理学部 海洋自然科学科生物系の小枝圭太助教が2023年度の日本魚類学会奨励賞を受賞しました 目標14:海の豊かさを守ろう

 理学部海洋自然科学科生物系の小枝圭太助教が2023年度の日本魚類学会奨励賞を受賞し、2023年9月2日に授賞式が2023年度日本魚類学会年会(⻑崎大学)にておこなわれました。

 小枝助教の所属する日本魚類学会は、1968年に設立され、魚類学の進歩と普及を図ることを目的に活動し、国際誌『Ichthyological Research』と和文誌『魚類学雑誌』を発行しています。会員数は国内外の魚類研究者を含む約1,200名(本学の研究者は7名)です。

 今回受賞した日本魚類学会奨励賞は、優れた研究成果をあげ、魚類学の進歩に寄与し、将来の発展が期待される40歳未満の一般会員、学生会員、または外国会員に授与されるものです。

 小枝助教は、ハタンポ科魚類における生活史研究と分類学的研究から研究のキャリアをスタートさせ、光るタグを魚体に付けて暗闇のなかで追跡する手法による研究では,夜行性であるハタンポ科魚類の夜間の行動や生態を観察し、ハタンポ科魚類がサンゴ礁の内外を長距離回遊して産卵や摂餌を行うことを解明しました。また、このような行動がサンゴ礁生態系におけるエネルギーや物質の流れに重要な役割を果たす可能性があることを示すなどの興味深い発見もしています。さらに、図鑑類の出版でも、1,400を超える魚種を収録した台灣南部魚類圖鑑が、日本の魚類相との良質な比較資料としても高く評価されています。これらの活発な研究活動が受賞理由のひとつとして授賞式で紹介されました(今後、正式な選考理由が日本魚類学会のウェブページに掲載される予定です)。

授賞式にて瀬能会⻑より賞状の授与

小枝助教のコメント:「大変栄誉ある賞をいただきましたこと、誠に嬉しく感じています。琉球大学に入学し、魚好きで少し潜ることが得意なぐらいの大学生でしたが、研究活動を進めていくなかでたくさんの方と出会い、楽しく研究をおこなっているうちに、いつの間にかとても高い場所まで登ってきていたことを実感しています。これまでの活動を同業者から高く評価していただいたことを新たなモチベーションとして、今後も沖縄の魚類研究の発展を支えながら、次世代を担う研究者の育成に尽力したいと思います。」

小枝研究室ホームページ
https://okinawafish.com

日本魚類学会ホームページ
https://www.fish-isj.jp/index.html

ハタンポの夜間移動生態についての論文
https://peerj.com/articles/12412/

台灣南部魚類圖鑑
https://www.nmmba.gov.tw/publication/News_Content.aspx?n=7F52F0AA7F2058C2&s=11A396EFCA2F4353