10月31日~11月3日に開催された第7回世界のウチナーンチュ大会に合わせ、琉球大学全保連ステーションにて「琉球大学と中南米県系人との未来連携を考える~これまでの取り組み、今後の展望~」シンポジウムを開催しました。
本シンポジウムでは、大会の目的でもある「未来に向けた沖縄と中南米ウチナーンチュの連携」について、ディスカッションを行いました。ディスカッションでは、本学が果たすべき役割を様々な視点から考えることを目的として、会場での対面とブラジルやアルゼンチンの中南米とオンライン(Zoom)で繋いだハイブリッド形式で行いました。会場には悪天候の中、海外からのウチナーンチュを含め学内外から114名の参加がありました(対面56名、Zoom58名)。
第1部の基調講演では、各講演者から中南米や本学での貴重な体験談等の講話がありました。第2部においては、「琉球大学と中南米県系人との未来連携について」のテーマに沿い、第1部において講演いただいた、三輪能弘氏、儀保ルシーラ悦子氏、渡邉英樹氏に加え、前学長・本学特別顧問の大城肇氏及び本学牛窪潔理事、副学長の5名が、本学工学部のカストロ・ホワンホセ教授の進行によりパネルディスカッションを行いました。ディスカッションは会場に参加していたブラジル、ボリビア、ペルー、アルゼンチンの沖縄県人会代表者との質疑応答形式で行いました。
大城前学長からは、中南米の大学との連携や、ブラジルに本学の中南米サテライトオフィスを設置したこと、ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、ペルーの各沖縄県人会と連携協定を締結したことなど、本学のこれまでの取組について報告がありました。
牛窪理事からは、大城前学長が在任時から進めていた、中南米沖縄県人会からの留学生受け入れについて、現在、上記4カ国からの新たな受入支援制度の創設に向けた話合いが進められている旨の説明がありました。これに対し、会場のボリビア沖縄県人会の比嘉徹会長からは、県系人の受入れ促進の取組は、中南米の沖縄県系人で琉球大学に留学を希望する若者にとって非常にありがたいことで、留学希望者の専門性と受け入れる側のマッチングが上手くいくよう期待したいとの意見をいただきました。さらに、ブラジル沖縄県人会の島袋栄喜氏からは、中南米からの留学生受入れだけの一方通行ではなく、沖縄からも中南米に学生をもっと派遣してもらい、双方向の交流促進を進め、また、留学後の県系人の将来も担保できるようなシステム作りが重要であるとの意見もいただきました。
今回のシンポジウムでは、中南米沖縄県人会と本学の今後の連携について有意義な意見交換が行われ、入口から出口まで、大学としてどのように協力連携していくべきかという、今後の中南米沖縄県人会との交流促進に向けた取組を進めていく上で新たな課題も生まれたシンポジウムとなりました。
【シンポジウムの様子】