2020年 琉球大学 農学部 亜熱帯農林環境科学科 卒業
2022年 琉球大学大学院 農学研究科 農林環境科学コース 卒業
2022年4月 ウィメンズクリニック糸数 入職
琉球大学へ進学を決めた理由を教えてください
私が琉球大学を志した理由は2点あります。
1つ目は、私は南部農林高校で畜産を専攻し動物の飼育管理や勉強をしていく中で、命の大切さを実感しました。その事を踏まえ、身につけた知識や経験をより深めていける農学部の動物分野に進学したいという思いで農学部のある大学を探しました。
2つ目は、進学先に迷っている時に各大学のウェブサイトを見ている中で琉球大学の農学部ホームページが目に留まりました。特に、家畜繁殖学研究室の建本先生の受精の神秘性や繁殖能力の低い沖縄在来豚アグーの種の保存がいかに重要なのかについての内容を読み、「命の仕組みについて勉強し、沖縄の貴重なアグーの保全に貢献したい」と、この研究室に惹かれたのが琉球大学を目指すきっかけでした。
大学在学中の思い出や印象深かった講義について教えてください
講義の印象としては、亜熱帯農林環境科学科では植物分野・動物分野・森林分野・生態環境分野と小さな微生物から大きな森林まで学ぶことができて自然の循環について学ぶことができました。1つの変化によって他の環境へ及ぼす影響など考えさせられる事が多くとても楽しかったです。
在学中の思い出として1番感じるのは同期や先輩方の存在です。私は、専門高校生ということもあって基礎学力が周囲よりも足りず授業についていけない場面が多々ありました。しかし、その度に同期の人たちが「大丈夫?」と声をかけてくれて丁寧に教えてくれました。そのお陰もあり、授業を苦に感じることなく頑張っていく事が出来ました。
特に、研究室の同期は、私の実験が上手くいかず「もう無理。」と諦めて落ち込んでいる時には「大丈夫だよ。一緒に手伝うよ。」と言ってくれました。その言葉にすごく励まされ、そう言ってくれる人に対して自分がちゃんと頑張らなきゃ失礼だと思い、身を引き締めて研究に取り組む事が出来ました。その子も同じ培養士として働いているので、卒業した今でも色々な悩み事を相談し合えるとても大切な存在で、大学で出会えた事にとても感謝しています。
大学1年次の与那フィールドワーク
就職活動と現在のお仕事について教えてください
現在、私は不妊治療を専門としたウィメンズクリニック糸数で培養士として働いております。この培養士という職業を志すきっかけとなったのが、不妊にとても悩んでいた母の存在です。母は、子供を授かりたいと希望しており不妊治療を試みている時期があったのですが、年齢因子等もあり中々上手くいかず酷く落ち込んでいました。その姿が印象に残っており、「胚培養士として不妊に悩んでいる人の一助になれたら・・・」と思い、家畜繁殖研究室で知識と技術を培いながら培養士を目指し始めました。
就職活動は、沖縄県内の不妊治療の病院を検討している際に、家畜繁殖研究室の卒業生で先に培養士として働いている先輩からお声をかけて頂き、現在、在籍しているウィメンズクリニック糸数を受ける運びとなりました。入職後も先輩には様々な知識を教示いただきながら業務の悩みに対して親身になって考えていただくなど、面倒を見てもらい非常に感謝しています。
厚生労働省の統計では2021年の総出生数は811,622人で11.6人に1人がART(生殖補助医療)で生まれている計算となっており、全体の出生率の低下とART(生殖補助医療)実施数の増加から年々割合が大きくなっています。
そのお手伝いをさせていただくのが胚培養士です。仕事内容は、採卵(卵子の回収)、精液の検査・回収、体外受精(卵子に対して精子を振りかける方法)、顕微授精(1つの精子を卵子に注入する方法)、精子・胚(受精卵)の凍結および融解、胚移植などがあります。また、培養成績の更なる向上のためデータの集積、考察、検討を行います。その他にも、常に新しい知識や技術を得るために年に1回ほど学会に参加します。
Time lapseにて胚を観察する様子
琉球大学を目指す学生へのメッセージをお願いします
私は、在学中(高校・大学)はとても時間が短く本当にあっという間でした。だからこそ、将来は何をしたいのか、逆に何をしたくないのか、時折、自分自身を見つめながら時間を大切にしてほしいです。また、やりたいことが思いつかないとしても将来の自分が選択できる範囲を狭めてしまわないように日々を過ごしてほしいです。皆さんの頑張りが実を結ぶよう心より願っています。