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医学部医学科学生が筆頭著者の英文論文 が 国際糖尿病連合(IDF)の公式医学誌に掲載されました!

 医学部医学科3年次月田昌里さんが筆頭著者となる論文が、国際糖尿病連合の公式医学誌「Diabetes Research and Clinical Practice」(2024; 13:111747. (Impact Factor(2023):6.1))に掲載されました。また月田さんは、2024年4月22日に開催された医科学研究発表会で琉球大学医学科同窓会 会長賞も受賞しています。

<月田さんコメント>
 本研究を通じて、腸内細菌に関する知識を深め、英文論文執筆という貴重な経験を積むことができました。この機会を与え、膨大な時間をかけて指導してくださった益崎教授をはじめ、研究室の皆様、そして支えてくれた家族に心から感謝しています。妊娠・出産という大きなライフイベントを乗り越えながら得たこの経験を糧に、今後も熱量高くあらゆることにチャレンジし続けていきたいと思います。

<内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座 益崎裕章教授コメント>
 月田さんは医学科3年次の必修科目である「医科学研究」の期間、内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座(第二内科)に配属され「正常耐糖能から耐糖能異常への移行を予測する腸内細菌の同定」を研究課題として取り組み、配属期間中に第一子の出産・育児を経験しながら、僅か5ヵ月間という短期間にハイレベルで精力的な研究を展開し、本研究課題の筆頭著者として英文論文を立派に完成させました。医学科学生を筆頭著者とするImpact Factor 5.0点以上の国際医学誌における論文公開は「医科学研究」開講以来の快挙です。

<研究内容>
タイトル:Gut microbiota-based prediction for the transition from normal glucose tolerance (NGT) to impaired glucose tolerance (IGT) in a remote island cohort study.
概  要:研究開始時および1年後に75g経口ブドウ糖負荷試験を実施し、開始時にNGTであった114名の久米島島民を解析対象としました。1年後もNGTであったNGT群108名と1年後にはIGTへ移行したNTI群6名の2群に分類し、開始時の腸内フローラ組成に注目して2群を比較することでIGTへの移行に関連する腸内細菌の同定を試みました。部分的最小二乗判別分析の結果、NGT群とNTI群は95%信頼区間楕円領域がまったく重ならない独自の腸内フローラ組成を有することが判明しました。また、年齢・性別・HbA1c値・BMI(体格指数)値で調整した多変量解析において、NGT群と比べてNTI群で存在割合が有意に上昇していた腸内細菌が属レベルで4種類、特定されました。これらの腸内細菌には糖代謝パラメーターと強い正相関を示すものも含まれており、特定の腸内細菌群がNGTからIGTへの移行を予測する優れた未病マーカーとなる可能性が初めて明らかになりました。
DOI: https://doi.org/10.1016/j.diabres.2024.111747


受賞した月田さん(左)、益崎教授(右)

(表紙)Diabetes Research and Clinical Practice