山口来実(KURUMI YAMAGUCHI)

山口来実(KURUMI YAMAGUCHI)
NO.008
農学部 亜熱帯農林環境科学科 森林環境学コース 3年 山口来実さん (岡山県出身・岡山県立総社南高等学校卒業)

農学部 亜熱帯農林環境科学科 森林環境学コースを選んだ理由を教えてください

両親が森林や草原などの空間で過ごすことを大切にする人たちであったため、幼いころから家族と山に出かけるなど森林の中で遊ぶ機会が多く、自然は私にとって身近な存在でした。小学生の時に、クマなどの野生動物が生息できる広葉樹林を守る活動をしている団体の出版した書籍を読み、木材生産のために人が造った森林である人工林の存在を知りました。

日本の人工林はスギやヒノキなどの針葉樹で構成されており、動物の食料となる果実ができないため、動物が住みにくい森林となっています。日本には山の奥深くまでこのような人工林が造られている場所もあり、ツキノワグマなどの野生動物が絶滅の危機に瀕しているという状況でした。そのため、私は人の木材生産と野生動物の生息が両立するような森林の形成を考えていきたいと思い、生物多様性の高い沖縄での林業が学べる農学部の亜熱帯農林環境科学科に進学しようと決めました。

 

あなたが思う(感じる)琉球大学の魅力を教えてください

琉球大学が総合大学であり、自分の専門とする分野の学問だけでなく幅広い知識を身に付けることができることだと思います。沖縄戦や米軍基地に関する授業や、琉球列島の自然に関する授業など琉球大学でしか提供されていないと考えられる授業も沢山あります。一見して自分の専門分野と関係なさそうな授業でも、受講してみると意外なところで繋がっていることが分かったり、自分の専門分野を異なる視点から考えることができたりするので、提供科目の種類が多いというのはとても貴重なことだと思います。

 

熱中している研究や勉強、学業面で今後取り組んでみたい分野を教えてください

現在私が興味を持っている研究分野は2つあります。1つ目は沖縄の林業を体系化するために必要な広葉樹の生態に関する研究です。沖縄の木材生産のために造られた森林である人工林は、広葉樹によって構成されることが一般的です。しかし広葉樹に適した生育環境などの研究は十分に進んでいるとは言えず、データが足りていない状況です。このような研究を行うことによって、少しでも沖縄の林業に貢献したいと考えています。

2つ目は日本の林業従事者のジェンダーに関する研究です。現在の日本の林業従事者の中の女性の割合はたいへん低いです。持続可能な林業を行うために、労働力は無くてはならないものだと考えるので、これからの林業従事者への女性の雇用拡大は重要だと考えています。女性の林業従事者の割合が低い根源的な原因は何なのか、どのような政策や取り組みを行うことが効果的なのかについて考えていきたいです。

実習にて樹木の高さを測定している様子

 

 

サークル活動やアルバイトなど、学校が終わってからの過ごし方を教えてください

沖縄は森林や滝、海など多くの自然がすぐ近くにあるので、講義が終わった後などにも友人と遊びに行っています。また、連休や休暇中には離島にも比較的行きやすいので、生物多様性の豊かな森林を直に感じたり、希少な生物を観察することができます。

講義後に滝へ

 

西表島での一枚

琉球大学に進学を考えている高校生へアドバイスをお願いします

琉球列島は世界的にも希少な地域である亜熱帯地域に属しており、このような環境下にある琉球大学で学ぶことはとても価値があることだと感じています。皆さんが琉球大学に進学することを楽しみにしています。