平良 悠里(YURI TAIRA)

平良 悠里(YURI TAIRA)
026
法務研究科(法科大学院) 修了
平良 悠里さん (沖縄県)

2015年 法文学部総合社会システム学科 中途退学
2018年 法務研究科(法科大学院) 修了
2022年 沖縄銀行 退行
2024年 ひかり法律事務所入所 現在に至る

琉球大学へ進学を決めた理由を教えてください

<学部>
 実は琉大は第2希望の大学でした。法律家になるために法律を学びつつ、興味のあった哲学の勉強もできる県外の大学が第1希望でした。受験の結果琉大に進学しましたが、その選択で良かったと今では思っています。私が高校生まで住んでいた石垣島には大学がなく、進学のためには島から出る必要があったので、本島へ出て進学することも私にとっては大きな一歩でした。沖縄で本当にのびのびと楽しい学生時代を過ごすことができました。

<大学院>
 弁護士を志してはいたものの、予備校に行くこともせずに漫然と過ごしていた学部2年生のとき、法学特殊講義の1つであるハワイ研修プログラムに参加しました。このプログラムでは、2週間にわたってハワイ大学で講義を受講するほか、現地の裁判所や弁護士事務所、刑務所等を見学したり、現地の司法関係者との交流をしたりする機会が設けられていました。
 私は、この研修で琉大ロースクール(法科大学院)の先生方とお会いする機会があり、その際ある先生から、琉大ローは飛び級(大学を3年次で退学)を受け入れているから入ってみないか、と声をかけていただきました。飛び級に必要な単位数やGPAは特に問題なく取得できる見通しでしたし、1年スキップするってなんだか面白そうだと感じ、飛び級での入学を決意しました。本格的に司法試験に向けて勉強できると、意欲に燃えたことを覚えています。

ハワイ研修(ドリンクのサイズに驚いている写真)

大学在学中の思い出や印象深かった講義について教えてください

<学部>
 法学の専攻講義だけではなく、哲学や自然科学、歴史などの分野に関心があったので、興味をひかれた共通教育科目や特殊講義、他学部の授業も積極的に受講していました。その分テストやレポートは大変だった記憶がありますが、自分が学びたいことを学ぶことができたという満足感があったように思います。
 また、石垣島を出て一人暮らしをしていたので、ここぞとばかりによく遊んでよく飲んでいました。ここには書けないような思い出がたくさんあります。

<大学院>
 ロースクールでは予習・復習をしっかり行わないととついていけない講義が多く、とても大変でした。ロースクールの授業は、「ソクラテスメソッド」という問答形式で進められることが多く、常に考えることが求められる緊張感のあるものでした。質問に答えられないことを恥ずかしく思うことはなかったですが、自分の考えを整理して相手へ伝えることの難しさを痛感する毎日でした。
 このように、大学院時代は、司法試験合格に向けて日々勉強をこなしていくハードな生活でしたが、幸いにも素晴らしい同期や先輩、そして先生方に恵まれ、みんなで切磋琢磨しながら楽しく過ごすことができ、充実した学生生活を過ごすことができました。

就職活動と現在のお仕事について教えてください

 大学院を修了した後は、沖縄銀行にてリーガルアシスタントとして勤務していました。
 その後司法試験に合格し、横浜での1年間の司法修習を経て、現在の事務所に入所し弁護士として働いています。入所のきっかけは、大学院時代の先生からのお誘いです。
 私の所属する事務所では、労働問題、行政訴訟、医療訴訟など専門性の高い分野を取り扱うことが多いです。受験時代以上に判例・裁判例や実務書等と日々格闘し反省と学びを積み重ねていますが、その一方で非常にやりがいのある仕事だと感じています。幼いころから沖縄の人々の役に立つ人材になりたいと思っていたので、現在、法律の分野でその思いを実現できていることに、とても喜びを感じています。

琉球大学を目指す学生へのメッセージをお願いします

 将来何になりたいか、何をしたいかを考えて、そこから逆算して進学先を決めよう――高校生や受験生のみなさんは、そんなふうに言われることが多いと思います。
 それはたしかに、人生の近道かもしれません。
 でも、正直に言うと、18歳でこれからの50年の人生の方針を決めるのは、かなり酷な話ですよね。
 私は、時間とお金が許すのであれば、将来のことはひとまず置いておいて、自分の興味・関心のあることに突き進んでみるのが良いと思います。せっかくなら、10代や20代の爆発的なエネルギーを、意欲をもって取り組めることに使うのが良いと考えるからです。
 学生時代は、時間がたくさんあります。いろんなことに挑戦し、体験してみてください。そうすることで、自分に合う・合わない、得意・不得意、好きなこと・嫌いなことなど、いろいろなことがわかってくるはずです。そして、たくさんの経験を重ね、紆余曲折を経て、思ってもみなかったような出会いにも恵まれるでしょう。このような体験の積み重ねが、「自分はどう生きていきたいのか」というヒントを与えてくれるのではないかと思います。そこから人生について考えるのも、遅くはないのではないかなと思っています。
 ぜひ、自分の好きなこと、挑戦したいことに打ち込める、そんな学生時代を過ごせることを願っています。