学長挨拶

「地域特性と国際性」を持ち未来へ発展し続ける大学


学長 岩政 輝男

琉球大学は、他の国立大学法人とは著しく異なる歴史を持ち、幾多の試練を経て今日に至っています。詳しい歴史は沿革の項に記してあります。

簡単に述べますと、1950年(昭和25年)、戦火で焼失した首里城跡地に米国軍政府の所管下に英語学部、教育学部、社会科学部、理学部、農学部、及び応用学芸学部の6学部の構成で設置されました。開学以来、米国のState Universityの一つで、Land Grant Universityであるミシガン州立大学の指導を受け、研究成果を地域に還元し普及(extension)させ地域に貢献する大学を目指しました。1966年(昭和41年)に琉球政府立となり、1972年(昭和47年)に沖縄の本土復帰とともに国立大学となりました。1979年(昭和54年)に教育学部、法文学部、理学部、工学部、農学部及び医学部よりなる総合大学となり、2004年(平成16年)に国立大学法人琉球大学となっています。その後、2004年に法科大学院、2008年に観光産業科学部が設置され、現在の7学部と法科大学院より構成される大学となりました。

開学以来地域へ貢献する大学であり、「地域特性と国際性」を持ち未来へ発展し続ける大学です。

本学は次のように特色ある教育・研究を行っています。

沖縄県は、琉球王国時代に世界と交易し発展した歴史と亜熱帯環境に基づく地域特性等を有し、沖縄を中心とし海を介し豊かなアジア太平洋地域に広がる独自の文化と思想を発展させてきました。琉球大学はそれらの継承と現代における発展進化を行い、特色ある様々な研究を行っています。現在のグローバリゼーションのもとで起こっている経済問題をはじめ色々な問題に対応する南の柔らかな個性ある学知を打ち立て教育研究を行い、広く世界に知の貢献をしています。

特色ある研究として、(1)沖縄を中心としたアジア・太平洋文化圏の歴史、社会、文化、民族、経済、文学、ジェンダー等の研究を国際沖縄研究所や法文学部を中心として行っています。特にプロジェクト研究「人の移動と21世紀グローバル社会」大きな成果を上げ、また、新しく国際学術誌「International Journal of Okinawan Studies」(略称IJOS)の刊行を始めました。(2)サンゴ礁海域の生物等に関する研究は、熱帯生物圏研究センターと理学部を中心に活発な活動が展開されています。(3)工学部や農学部を中心として自然災害研究を行っていますが、島嶼防災研究センターで特別教育研究経費を得ています。(4)教育学部では、離島やへき地教育への取り組み、教育GP(good practice)を得ています。(5)工学部の情報科学、(6)農学部の熱帯農学、(7)観光産業科学部の新しい観光学、そして(8)医学部の感染症や腫瘍さらに老化研究などいずれも新しい取り組みを行い、魅力ある研究が行われています。

幅広い教養や基礎科学そして専門の学智の修習を大学では行いますが、自ら問題を見つけ、自分で考え解決することが大学教育の中心です。「グローバルシティズン・カリキュラム」と呼ばれる新しいタイプのリベラルアーツ型教育が始まります。

大学院博士課程も充実しています。医学部は、大学院医学研究科として部局化をしていますし、人文社会学、理工学、保健学に博士課程があります。農学部は鹿児島大学や佐賀大学と連合大学院に加わっています。さらに法科大学院では国際的に活躍する法曹家を育てる目的でハワイ大学と交流しています。

大学は、国立大学としては最初にエコアクション21の認証を受け、自然環境を大切にしています。