琉球大学軍事的安全保障研究への対応に関する規則

平成30年5月28日
制        定

(目的)
第1条 この規則は、琉球大学(以下「本学」という。)の軍事的安全保障研究への対応に関する事項を定めることにより、本学における研究が、琉球大学の軍事的安全保障研究に関する対応の基本方針(平成29年10月11日役員会決定。以下「基本方針」という。)に沿って行われるようにすることを目的とする。

(定義)
第2条 この規則において次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 軍事的安全保障研究 軍事的な手段による安全保障にかかわる研究
(2) 軍事目的研究 研究の成果を軍事利用することを直接の目的とする研究
(3) 本学研究者 研究に携わる国立大学法人琉球大学の役員及び教職員(非常勤を含む。以下「教職員等」という。)並びに教職員等の指導を受けて研究に携わる本学の学生等
(4) 軍事関連機関 防衛省、防衛装備庁等の軍事的な手段による安全保障に関する事項を所管する公的機関
(5) 研究資金 国又は国が所管する独立行政法人等から配分される公募型の研究資金、寄附金、民間等との共同研究費、受託研究費、運営費交付金対象事業費等の研究のための経費に充てる資金

(本学研究者の責務等)
第3条 本学研究者は、軍事目的研究を行ってはならない。
2 本学研究者が、軍事的安全保障研究とみなされる蓋然性のある研究を行おうとするとき(研究分担者となって行う場合を含む。)は、次条に定める委員会の承認を得なければならない。

(委員会の設置)
第4条 第1条の目的を達成するため、本学に、国立大学法人琉球大学組織規則第26条に基づき、軍事的安全保障研究とみなされる可能性のある研究の審査を行うため、琉球大学軍事的安全保障研究倫理審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。

(委員会の任務)
第5条 委員会は、次に掲げる事項を任務とする。
 (1) 第9条第1項及び第2項の規定に基づく審査の申請があった研究について、その適切性を審査すること。
 (2) 第10条第1項の規定に基づく審査開始の申出があった研究について、審査を開始するか否かを決定すること。
 (3) 前号で審査開始の決定をした研究について、その適切性を審査すること。
 (4) その他前各号の事項に関連すること。

(組織)
第6条 委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。
 (1) 学長が指名する副学長                 2人
 (2) 次に掲げる教員        
  イ 文系分野の教授                  2人
  ロ 理系分野の教授                  3人
  ハ 医学系分野の教授                 1人
 (3) 学長が特に必要と認める者(学外者を含む。)      若干人
2 前項第2号又は第3号の委員は、学長が任命し、又は委嘱する。
3 第1項第2号及び第3号の委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、委員に欠員が生じた場合の後任者の任期は、前任者の残任期間とする。

(委員長等)
第7条 委員会に委員長を置き、前条第1項第1号の委員のうちから学長が指名する者をもって充てる。
2 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。
3 委員長に事故があるとき又は欠けたときは、委員長があらかじめ指名する委員が、その職務を代行する。

(議事)
第8条 委員会は、委員の3分の2以上が出席しなければ、議事を開き、議決することができない。
2 委員会の議決は、出席委員の3分の2以上の多数をもって行う。

(審査の申請)
第9条 本学研究者は、次に掲げる場合は、当該研究の適切性について、委員会に対し、審査の申請を行うものとする。
 (1) 軍事関連機関から研究資金の拠出を受けて研究を行おうとする場合
 (2) 現に行い、又は行おうとする研究が、軍事的安全保障研究とみなされる蓋然性があると思料する場合
2 本学研究者は、委員会の審査を受けた研究について、その後の事情の変更により改めて審査を受ける必要があると思料するときは、再度、委員会に対し、申請を行うものとする。
3 前2項に規定する申請の要否の判断については、本学研究者の自律的判断を最大限に尊重するものとする。
4 第1項及び第2項に規定する申請は、部局長を経て行うものとする。ただし、役員については、この限りではない。

(審査開始の申出)
第10条 本学研究者が現に行い、又は行おうとする研究について、次に掲げる事由があると思料する者(学外者を含む。)は、委員会に対し、当該研究の適切性についての審査を開始するよう申し出ることができる。
 (1) 軍事目的研究に該当すること。
 (2) 委員会の審査を経れば不承認の判定を受ける蓋然性が高いのに、委員会の審査を経ていないこと。
 (3) 不当な手段を用いて、委員会から承認又は条件付きの承認の判定を得たこと。
2 前項の申出は、次に掲げる事項を明示した書面によらなければならない。
 (1)  申出を行う者(以下「申出人」という。)の氏名及び住所又は所属
 (2) 対象となる本学研究者の氏名又はグループ等の名称
 (3) 前項各号に掲げる事由のうち該当すると思料するもの及びその合理的な理由
3 第1項の規定による申出があったときは、委員会は、必要に応じて、対象とされた本学研究者の意見を聴いた上で、速やかに審査を開始するか否かを決定する。
4 前項の決定を行ったときは、委員会は、申出人及び対象とされた本学研究者に対し、書面により、その結果を通知する。
5 不正な目的をもって第1項の申出を行った申出人に対しては、厳正に対処する。
 
 (研究の停止)
第11条 委員会は、審査を開始するときは、審査対象となる本学研究者(以下「審査対象者」という。)に対し、その審査結果が確定するまでの間、当該研究の全部又は一部を停止するよう要請することができる。ただし、委員会は、いつでもその要請内容を見直すことができる。
2 委員会は、前項の要請をすることを決定したときは、審査対象者に対し、書面により、通知する。
3 審査対象者が第1項の規定による要請に応じないときは、学長は、委員会の意見を聴いて、必要な措置を講ずることができる。

(審査)
第12条 委員会は、第9条第1項及び第2項の規定による申請があったとき又は第10条第3項の規定により審査開始の決定を行ったときは、基本方針において「琉球大学における教育研究は、学問の自由を踏まえつつも、人類の福祉と平和に寄与するために行われるべきであり、それらを妨げる目的では行わないことを旨とすべき」とされている趣旨を踏まえ、次に掲げる事項を総合的に考慮し、倫理的な面から当該研究の適切性について審査する。
 (1) 研究の目的
 (2) 研究資金の出所
 (3) 研究における研究者の自主性、自律性の確保の程度
 (4) 研究の公開性の確保の程度
 (5) 技術面からみた研究成果が軍事利用される危険性の程度
 (6) 当該研究を行うことが研究環境や教育環境に及ぼす影響の程度
2 委員会は、前項の審査を行うにあたり必要と認めるときは、第9条第1項及び第2項の規定により申請を行った者(以下「申請者」という。)、審査対象となっている研究分野について専門的知見を有する者等を委員会に出席させ、説明若しくは意見を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3 委員会は、第1項の審査を終えたときは、次の各号のいずれかに該当する判定を行う。ただし、第9条第1項第1号に該当する場合は、委員会は、当該研究が、軍事的安全保障研究に当たらないことが明らかなとき、人道目的の研究であるとき、その他研究の適切性に問題がないことが明白であるときを除き、第3号の判定を行うものとする。
 (1) 承認
 (2) 条件付承認
 (3) 不承認

(判定結果の通知等)
第13条 委員会は、前条第3項の判定を行ったときは、申請者又は申出人及び審査対象者に対し、書面により、判定結果を通知するとともに、審査結果の概要を学長に報告する。

(不服申立て)
第14条 委員会の第11条第3項の判定に対し不服のある申請者は、判定結果の通知を受けた日から1か月以内に限り、学長に対し、書面により、不服申立てを行うことができる。
2 不服申立ては、判定を不服とする具体的理由を示して行わなければならない。
3 学長は、不服申立てに形式上の不備(前2項の規定に反することをいう。)があると認めるときは、当該不服申立てを却下することができる。
4 学長は、委員会の意見を聴いた上で、不服申立てに理由がないと認めるときはこれを棄却し、理由があると認めるときは委員会に再審査を行わせるものとする。
5 前2項の決定については、書面により、不服申立人に通知する。
6 第4項の規定による再審査については、第11条から本条前項までの規定を準用する。

(不承認との判定を受けた場合の措置)
第15条 第11条第3項の規定による不承認との判定が確定した場合には、対象となった本学研究者は、当該研究を速やかに終了させなければならない。
2 前項により、研究を終了させたときまでに得られた研究成果の取扱いについては、委員会が定めるところによる。

(教育研究評議会への報告)
第16条 委員会は、教育研究評議会に対し、年1回以上、本規則に基づく審査状況等について報告しなければならない。
2 教育研究評議会は、前項の報告を踏まえ、委員会による審査のあり方等について、必要に応じ、意見を述べることができる。

(庶務)
第17条 委員会の庶務は、総合企画戦略部研究推進課において行う。

(雑則)
第18条 この規則に定めるもののほか、委員会の審査に関し必要な事項は、委員会が別に定める。

(改廃)
第19条 この規則の改廃は、教育研究評議会の審議と役員会の議を経て、学長が行う。 


  附 則
1 この規則は、平成30年5月28日から施行する。
2 この規程施行後、最初に任命される第6条第1項第2号及び第3号の委員の任期は、同条第3項の規定にかかわらず、平成32年3月31日までとする。