琉球大学ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理規則

                               平成18年8月1日
制       定

 (目的)
第1条 この規則は,琉球大学(以下「本学」という。)におけるヒトゲノム・遺伝子解析研究に関し,「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」(平成16年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号。以下「指針」という。)及びこれに基づき定められるもののほか,必要な事項を定めることにより,人間の尊厳と人権が尊重され,もって本学におけるヒトゲノム・遺伝子解析研究が適正に実施されることを目的とする。

 (用語の定義)
第2条 この規則において用いる用語の定義は,次の各号に定めるところによる。
(1)「被験者」とは,研究の対象となる者をいう。ただし,第3号に規定する提供者を除く。
(2)「ヒト由来試料」とは,ヒトに由来する次の試料をいう。ただし,学術的な価値が定まり,研究実績として十分に認められ,研究用に広く一般に利用され,かつ,一般に入手可能なヒト由来試料は含まれない。
 イ 血液,組織,細胞,体液,排泄物等
 ロ イの試料から抽出した核酸(複製した核酸を含む。)等
(3)「提供者」とは,研究のためのヒト由来試料を提供する者をいう。
(4)「個人情報」とは,個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ,それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。
(5)「匿名化」とは,個人情報の全部又は一部を取り除き,代わりに被験者又は提供者と関わりのない符号又は番号を付することにより,特定の個人を識別できないようにすることをいう。
   イ 連結可能匿名化
  必要なときに個人を識別できるように,被験者又は提供者と新たに付された符号又は番号の対応表を残す方法による匿名化
 ロ 連結不可能匿名化
      個人を識別できないように,イの対応表を残さない方法による匿名化
(6)「診療情報」とは,診断及び治療を通じて得られた疾病名,投薬名,検査結果等の情報をいう。
(7)「遺伝情報」とは,遺伝的特徴や体質を示す情報をいう。
(8)「インフォームド・コンセント」とは,試料等の提供を求められた者が,研究責任者から事前にヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する十分な説明を受け,その研究の意義,目的,方法,予測される結果や不利益等を理解し,自由意思に基づいて与える試料等の提供及び試料等の取扱いに関する同意をいう。
(9)「代諾者等」とは,提供者にインフォームド・コンセントを与える能力がない場合に,当該提供者の代わりにインフォームド・コンセントを与える人をいう。提供者が死者である場合にあっては,遺族をいう。なお,遺族を含めない場合には,「代諾者」という。
(10)「研究責任者」とは,本学において,ヒトゲノム・遺伝子解析研究を遂行するとともに,その研究計画に係る業務を統括する者であって,ヒトゲノム・遺伝子解析研究の有用性及び限界並びに生命倫理について十分な知識を有する研究者をいう。
(11)「研究担当者」とは,研究責任者の指示や委託に従ってヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施する者であって,業務の内容に応じて必要な知識と技能を持つ研究者,医師,薬剤師,看護師及び臨床検査技師等をいう。
(12)「ヒトゲノム・遺伝子解析研究」とは,被験者を対象とする研究,ヒト由来試料を用いる研究及び個人に関する情報を用いる研究をいう。
(13)「遺伝カウンセリング」とは,遺伝医学に関する知識及びカウンセリングの技法を用いて,対話と情報提供を繰り返しながら,遺伝性疾患をめぐって生じ得る医学的又は心理的諸問題の解消又は緩和を目指し,支援し,又は援助することをいう。
(14)「部局」とは,グローバル教育支援機構,学部,医学研究科及び熱帯生物圏研究センターをいう。
(15)「部局長」とは,前号の組織の長をいう。

 (基本精神)
第3条 ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施にあたっては,世界医師会によるヘルシンキ宣言等の趣旨に沿った倫理規範を踏まえ,次の事項を基本とする。
(1)人間の尊厳の尊重
(2)事前の十分な説明と自由意思による同意(インフォームド・コンセント)
(3)個人情報の保護の徹底
(4)人類の知的基盤,健康及び福祉に貢献する社会的に有益な研究の実施
(5)個人の人権の保障の科学的又は社会的利益に対する優先
(6)この規則に基づく研究計画の作成及び遵守並びに独立の立場に立った倫理審査委員会による事前の審査及び承認による研究の適正性の確保
(7)研究の実施状況の第三者による実地調査と研究結果の公表を通じた研究の透明性の確保
(8)ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する啓発活動等による国民及び社会の理解の増進並びに研究内容を踏まえて行う国民との対話


 (学長の責務)
第4条 学長は,本学におけるヒトゲノム・遺伝子解析研究の適正な実施に関する事項を総括する。
2 学長は本学におけるヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施に関する最終的な責任を有し,研究責任者及び研究担当者が研究計画に従って適正に研究を実施するよう監督する。
3 学長は,被験者及び提供者等の人権を最大限保障すべきこと及び指針,この規則,研究計画等に反した場合に懲戒処分等の不利益処分がなされ得ることについて,研究者等に対する周知徹底を図らなければならない。
4 学長はヒトゲノム・遺伝子解析研究の適正な実施のために,その取り扱う個人情報の漏えい,滅失又はき損の防止その他個人情報の安全管理のため,組織的,人的,物理的及び技術的措置を講じなければならない。


 (個人情報管理者,個人情報分担管理者及び補助者)
第5条 学長は,ヒトゲノム・遺伝子解析研究において個人情報の保護を図るため,この研究を実施する部局に個人情報管理者を置く。
2 学長は,必要に応じ,責任,権限及び指揮命令系統を明確にした上で,個人情報管理者の業務を一部分担させるため,個人情報管理者の下に個人情報分担管理者を又は,個人情報管理者若しくは個人情報分担管理者の下に実際の業務を行う補助者を置くことができる。
3 個人情報管理者及び個人情報分担管理者は,研究責任者の依頼に基づき,匿名化等の業務及び匿名化作業に当たって作成した対応表等の管理を行うが,個人情報を漏らしてはならず,また,漏洩しないよう適切に管理しなければならない。個人情報管理者及び個人情報分担管理者は,刑法(明治40年法律第45号)第134条,国立大学法人法(平成15年法律第112号)第18条その他の法律により業務上知り得た秘密の漏えいを禁じられている者とする。
4 本条第2項で規定する補助者は,業務上知り得た秘密を漏えいしてはならない旨同意した者でなければならない。
5 個人情報管理者及び個人情報分担管理者は,匿名化されていないヒト由来試料,診療情報及び遺伝情報等を用いる場合においても研究責任者及び研究担当者を適切に監督しなければならない。
6 個人情報管理者及び個人情報分担管理者は,個人が特定されるヒトゲノム個人情報及び連結可能匿名化ヒトゲノム個人情報の含まれる文書等を保管するときは,施錠等の保管管理を適切に行わなければならない。
7 個人情報管理者及び個人情報分担管理者は,個人情報の含まれる文書等を所定の期間保存するとともに,廃棄するときは,匿名化しなければならない。

 (部局長への委任)
第6条 学長は,第4条第2項に規定する監督について,部局長に委任する。

 (倫理審査委員会の設置)
第7条 ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関し必要な事項の審査を行うため,本学に,琉球大学ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。

 (所掌事項)
第8条 委員会は,本学におけるヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施の適否等について,指針の趣旨に基づき,倫理的観点と共に科学的観点を含めて審査を行う。研究計画を変更する場合も同様とする。
2 委員会は,学長が許可した研究計画の実施中に,研究の変更,中止その他が必要と判断される場合には,学長に対して意見を述べることができる。
3 本条第1項の審査結果の通知及び第2項の学長に対する意見は,文書により行うものとする。

 (組織)
第9条 委員会は,次に掲げる委員をもって組織する。
(1)倫理・法律を含む人文・社会科学面の有識者2人以上
(2)自然科学面の有識者2人以上(熱帯生物圏研究センター分子生命科学研究施設教授又は准教授を含む。)
(3)医学・医療の専門家3人以上(臨床医学系教授2人を含む。)
(4)一般の立場の者 2人以上
2 委員のうち原則として半数以上は本学以外の者とする。ただし,その確保が困難な場合には,少なくとも複数とする。
3 本学以外の委員のうち半数以上は,人文・社会科学面の有識者又は一般の立場の者で構成するものとする。
4 委員は,男女両性で構成するものとする。
5 本学に所属する委員は学長が命じ,その他の委員は学長が委嘱する。

 (任期)
第10条 委員の任期は2年とし,再任を妨げない。
2 委員に欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は,前任者の残任期間とする。

 (委員長)
第11条 委員会に委員長を置き,委員の互選により定める。
2 委員長は,委員会を招集し,その議長となる。
3 委員長に事故があるとき又は欠けたときは,委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代行する。

 (議事)
第12条 委員会は,委員の3分の2以上が出席し,かつ本学以外の委員が1名以上出席しなければ会議を開くことができない。
2 審査は,出席委員全員の合意により,次に掲げる判定を行う。
(1)承認
(2)条件付承認
(3)不承認
(4)変更の勧告
(5)中止の勧告
(6)非該当
3 委員は,自己の申請に係る審査の審議及び判定に参加することができない。ただし,その計画の科学的見解等について説明することはできるものとする。
4 委員会が必要と認めた場合は,委員会に委員以外の者の出席を求めて説明又は意見を聴くことができる。

 (組織に関する事項及び議事要旨の公開)
第13条 委員会は委員会の構成,委員の氏名,所属及びその立場を公開するとともに,議事の内容を原則として公開するものとする。ただし,公開することによって,被験者及び提供者等の人権,研究の独創的又は知的財産権の保護に支障が生じるおそれがある部分についてはこの限りでない。
2 公開は,琉球大学公式ホームページに掲載すること等により行うものとする。

 (秘密を守る義務)
第14条 委員は,職務上知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その職を辞した後も同様とする。

 (迅速審査手続)
第15条 委員長は,委員会構成員の中から指名した複数の委員(以下「迅速審査委員」という。)に,迅速審査に当たらせることができるものとする。
2 迅速審査委員が審査することができる事項は,次のとおりとする。
(1)研究計画の軽微な変更の審査
(2)既に委員会において承認されている研究計画に準じて類型化されている研究計画の審査
(3)共同研究であって,既に主たる外部の機関において倫理審査委員会の承認を受けた研究計画を,共同研究機関として実施しようとする場合の研究計画の審査
3 迅速審査委員の審査結果については,迅速審査を行った委員以外の委員に報告するものとする。
4 迅速審査の結果の報告を受けた委員は,委員長に対し,理由を付した上で,当該事項について改めて委員会における審査を求めることができる。

 (申請手続き及び結果の通知)
第16条 研究責任者は,ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施に当たって,あらかじめ別に定める事項を記載したヒトゲノム・遺伝子解析研究に係る倫理審査申請書(様式1)及びヒトゲノム・遺伝子解析研究計画書(様式2)を作成し,部局長を経て,学長に申請し許可を求めなければならない。研究計画書を変更しようとする場合も同様とする。
2 研究責任者は,第3条第1項第2号のインフォームド・コンセントについては,インフォームド・コンセントに関する記載事項チェックシート(様式6)により作成するものとする
3 学長は,第1項の規定による申請があったときは,委員会に審査を諮り,その審査の判定を踏まえて,許可するか否かを決定し,申請の結果を,ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理審査結果通知書(様式3)により,部局長を経て,研究責任者に通知するものとする。

 (審査記録の保存期間)
第17条 審査に関する書類の保存期間は,法令等に定めがある場合を除き,5年とする。
2 保存期間を経過した書類でさらに保存が必要と認める書類は,保存期間を延長することができる。
3 保存期間の起算は,当該研究が終了した日の属する年度終了の日の翌日から起算する。

 (研究責任者の責務)
第18条 研究責任者は,研究計画書の作成に当たり,実施しようとするヒトゲノム・遺伝子解析研究に伴い被験者及び提供者等に予想される様々な影響等を踏まえ,研究の必要性,被験者及び提供者等の不利益を防止するための方法等を十分考慮しなければならない。
2 研究責任者は,ヒトゲノム・遺伝子解析研究の特色に十分配慮して研究計画書を作成しなければならない。特に,インフォームド・コンセントの手続及び方法,個人情報の保護の方法,研究により予測される結果及びその開示の考え方,試料等の保存及び使用の方法並びに遺伝カウンセリングの考え方については,明確に記載しなければならない。
3 研究責任者は,許可された研究計画書に盛りこまれた事項を,すべての研究担当者に遵守させる等,研究担当者が適正にヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施するよう監督しなければならない。
4 研究責任者は,匿名化されていない試料等又は遺伝情報を原則として外部の機関に提供してはならない。ただし,被験者及び提供者又は代諾者等が匿名化を行わずに外部の機関へ提供することに同意し,かつ,委員会の承認を受け,学長が許可した研究計画書において認められている場合は,この限りでない。
5 研究責任者は,ヒトゲノム・遺伝子解析研究の業務の一部を委託する場合は,委員会の承認を受け,学長の許可を受けた上で行うものとし,その旨を文書により,受託者に示すものとする。
6 研究責任者は,ヒトゲノム・遺伝子解析研究の業務の一部を委託する場合において,試料等又は遺伝情報を受託者に提供する際は,原則として試料等又は遺伝情報を匿名化しなければならない。ただし,被験者及び提供者又は代諾者等が同意し,かつ,委員会の承認を受け,学長が許可した研究計画書において認められている場合は,この限りでない。

 (研究担当者の責務)
第19条 研究担当者は,研究責任者の指導及び監督のもと,学長が許可した研究計画に沿い,ヒト由来試料及び個人に関する情報の入手,使用,保存,廃棄等に関して適切に実施すること等により,研究を適正に実施しなければならない。

 (インフォームド・コンセント)
第20条 研究責任者は,被験者及び提供者を,不合理,不当又は不公平な方法で選んではならない。ただし,外部の機関又は本学の他部局から試料等の提供を受けて研究を実施する場合はこの限りではない。
2 被験者及び提供者が,疾病や薬剤反応性異常を有する場合及びそれらの可能性のある場合には,その者が病名又はそれに相当する状態像等の告知を受けていなければならない。
3 研究責任者は,被験者及び提供者に対して,事前に,そのヒトゲノム・遺伝子解析研究の意義,目的,方法,予測される結果,被験者及び提供者が被るおそれのある不利益,試料等の保存及び使用方法等について十分な説明を行った上で,自由意思に基づく文書による同意(インフォームド・コンセント)を受けて,試料等の提供を受けなければならない。ただし,人の生命又は身体の保護のために,緊急に個人情報又は試料等の提供を受ける必要がある場合は,この限りでない。
4 研究責任者は,インフォームド・コンセントを受けるに当たっては,試料等の利用目的を被験者及び提供者若しくは代諾者等に通知し,又は公表することにより被験者及び提供者若しくは第三者の生命,身体,財産その他の権利利益を害してはならない。
5 研究責任者は,インフォームド・コンセントを受けるのに必要な業務を自ら実施することができない場合,試料等の提供が行われる機関の研究者等のうち,ヒトゲノム・遺伝子解析研究の内容及び意義等について十分に理解している者に,研究責任者の指導・監督の下,当該業務の全部又は一部を行わせることができる。
6 研究責任者は,当該部局に属する研究者等以外の者(以下「履行補助者」という。)との間で,業務の範囲と責任を明らかにする契約を締結することにより,当該履行補助者にインフォームド・コンセントを受けるのに必要な説明を行わせ,その他インフォームド・コンセントを受けるのに必要な業務の一部を行わせることができる。この場合,研究責任者は,研究計画書にその旨を記載するとともに,必要に応じ当該履行補助者の研修の機会を確保しなければならない。

7 研究責任者は,被験者及び提供者からインフォームド・コンセントを受けることが困難な場合には,その実施しようとしている研究の重要性が高く,かつ,その人からの試料等の提供を受けなければヒトゲノム・遺伝子解析研究が成り立たないと委員会が承認し,学長が許可した場合に限り,被験者及び提供者の代諾者等からインフォームド・コンセントを受けることができる。
8 被験者及び提供者又は代諾者等は,インフォームド・コンセントを,いつでも不利益を受けることなく文書により撤回することができる。
9 研究責任者は,被験者及び提供者又は代諾者等からインフォームド・コンセントの撤回があった場合には,原則として,当該被験者及び提供者に係る試料等及び研究結果を匿名化して廃棄し,その旨を被験者及び提供者又は代諾者等に文書により通知しなければならない。また,被験者及び提供者又は代諾者等が廃棄以外の処置を希望する場合には,特段の理由がない限り,これに応じなければならない。ただし,次に掲げる要件のいずれかを満たす場合は,試料等及び研究結果を廃棄しないことができる。
(1)当該試料等が連結不可能匿名化されている場合
(2)廃棄しないことにより個人情報が明らかになるおそれが極めて小さく,かつ廃棄作業が極めて過大である等の事情により廃棄しないことが委員会において承認され,学長に許可された場合
(3)研究結果が既に公表されている場合
10 試料等の提供が行われる部局の研究責任者は,被験者及び提供者又は代諾者等からのインフォームド・コンセントを受ける手続においては,被験者及び提供者又は代諾者等に対し,十分な理解が得られるよう,必要な事項を記載した文書を交付して説明を行わなければならない。被験者及び提供者が単一遺伝子疾患等(関連遺伝子が明確な多因子疾患を含む。)である場合には,遺伝カウンセリングの利用に関する情報を含めて説明を行うとともに,必要に応じて遺伝カウンセリングの機会を提供しなければならない。

11 外部の機関又は他の研究を行う部局から試料等又は遺伝情報の提供を受ける研究責任者は,当該試料等又は遺伝情報に関するインフォームド・コンセントの内容を当該外部の機関又は他の研究を行う部局からの文書等によって確認しなければならない。
12 研究責任者は,ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施前に,ヒトゲノム・遺伝子解析研究又は関連する医学研究に使用することを想定して,被験者及び提供者又は代諾者等からインフォームド・コンセントを受ける場合には,その時点において予想される具体的研究目的を明らかにするとともに,個人情報が,匿名化の可能性を含めて,どのように管理され,かつ,保護されるかを説明し,理解を得なければならない。

 (ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施)
第21条 研究責任者及び研究担当者は,学長が許可した研究計画の実施にあたっては,許可された研究計画書に盛りこまれた事項及びこの規則,国の策定する法令,指針等を遵守し,ヒトゲノム・遺伝子解析研究の適正性の確保に努めなければならない。
2 研究責任者は,指針に規定されるヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施するときは,あらかじめ研究に用いるヒト由来試料,診療情報,遺伝情報等の匿名化を第5条に規定する個人情報管理者又は個人情報分担管理者に依頼しなければならない。
3 研究責任者及び研究担当者は,原則として,匿名化された試料等又は遺伝情報を用いて,ヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施しなければならない。ただし,被験者及び提供者又は代諾者等が同意し,かつ,委員会の承認を受け,学長が許可した研究計画書において認められている場合には,試料等又は遺伝情報の匿名化を行わないことができる。
4  研究責任者及び研究担当者は,地域住民等一定の特徴を有する集団を対象に,地域住民等の遺伝的特質を明らかにする可能性があるヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施する場合には,研究実施前に地域住民等を対象とする説明会を行うこと等により研究の内容及び意義について説明し,研究に対する理解を得るよう努めるとともに,研究実施中においても,研究に関する情報提供を行うこと等により地域住民等との継続的な対話に努めなければならない
5 研究責任者及び研究担当者は,ヒト由来試料を用いる研究の実施にあたっては,ヒト由来試料管理薄(以下「管理簿」という。)を整備し,ヒト由来試料の入手,使用,廃棄等を行った場合は,その内容を管理簿に記録し,保存しなければならない。

6 研究責任者及び研究担当者は,被験者の研究への参加状況の記録(以下「参加状況記録」という。)を作成し,保存しなければならない。

 (研究状況の報告)
第22条 研究責任者は,ヒトゲノム・遺伝子解析研究の実施状況について,部局長を経て,学長に1年1回以上,ヒトゲノム・遺伝子解析研究実施状況報告書(様式5)を作成し,報告しなければならない。
2 学長は,前項の報告があったときは,委員会及び個人情報管理者に写しを送付する。
3 許可された研究期間を越えて研究を継続するときは,速やかに,部局長を経て,ヒトゲノム・遺伝子解析研究(継続)申請書(様式4)により学長に申請しなければならない。
4 研究が終了したときは,終了後速やかに,部局長を経て,ヒトゲノム・遺伝子解析研究(終了)申請書(様式4)により学長に申請しなければならない。

 (ヒト由来試料等の保存及び廃棄の方法)
第23条 研究責任者は,研究を行う部局内で試料等を保存する場合には,被験者及び提供者又は代諾者等の同意事項を遵守し,研究計画書に定められた方法に従わなければならない。
2 研究責任者及び研究担当者は,ヒト由来試料を保存するときは,ヒト由来試料である旨を明記した専用の保存容器を用い,専用の保存庫に保存しなければならない。ただし,専用の保存庫において保存できないときは,他のものと明確に区分して保存しなければならない。また,研究責任者は,保存庫又は部屋の施錠管理を適切に行わなければならない。
3 研究責任者及び研究担当者は,ヒト由来試料,診療情報,遺伝情報等を外部の研究機関等(ただし,次項に規定するバンクを除く。)に提供するときは,原則として匿名化されたものを提供しなければならない。ただし,被験者,提供者又は代諾者が匿名化を行わないことに同意しているときは,この限りでない。
4 研究責任者及び研究担当者は,ヒト由来試料及びそれに付随する診療情報又は遺伝情報について研究用資源としての品質管理を実施し,不特定多数の研究者に分譲する非営利的事業(以下「バンク」という。)に提供するときは,連結不可能匿名化がなされることを確認するとともに,バンクに提供することの同意を含む被験者及び提供者又は代諾者等の同意事項を遵守しなければならない。
5 研究責任者は,研究計画書に従い自ら保存する場合及びバンクに提供する場合を除き,試料等の保存期間が研究計画書に定めた期間を過ぎた場合には,被験者及び提供者又は代諾者等の同意事項を遵守し,匿名化して廃棄しなければならない。

 (教育の実施)
第24条 学長は,個人情報管理者,個人情報分担管理者及び研究責任者,研究担当者に対し,研究を実施する前に,この規則のほか,研究における倫理面に関する国内外の関連法令,指針及びその他必要と認める事項について教育を行わなければならない。
2 研究責任者及び研究担当者は,ヒト由来試料及び個人に関する情報を適切に取扱うよう,研究を実施する前に,前項に規定する教育を受け,国の策定する法令,指針等及びこの規則を熟知するよう努めなければならない。
3 前2項の規定は,第5条第2項に規定する補助者,第7条第5項に規定する委託を受ける受託者及び第20条第6項に規定する履行補助者に,これを準用する。

 (外部有識者による研究状況の実地調査)
第25条 学長は,年1回以上外部の有識者による研究実施状況の定期的な実地調査を,次に揚げる事項について実施し,その結果について,当該研究計画の審査を行った委員会及び個人情報管理者へ報告するものとする。
(1)インフォームド・コンセントの手続の実施状況
(2)個人情報の保護の状況
(3)その他必要事項
2 研究責任者は,学長及び研究状況調査を行う外部有識者からの請求があったときは,速やかに管理簿又は参加状況記録を提出しなければならない。
3 部局長及び研究責任者は,前項の実地調査に協力しなければならない。
4 本条第1項に規定する外部の有識者は,職務上知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。その職を辞した後も同様とする。

 

 (個人情報に関する開示の求め)
第26条 学長は,保有する個人情報に関し,次に掲げる事項について,被験者及び提供者の知り得る状態(被験者及び提供者の求めに応じて遅滞なく回答する場合を含む。)に置かなければならない。
(1)当該研究を行う機関の名称
(2)すべての保有する個人情報の利用目的
(3)保有する個人情報の利用目的の通知,内容の訂正,追加又は削除,利用の停止又は消去,第三者への提供の停止等に関し,被験者及び提供者又は代諾者等からの求め(開示の求め)を受け付ける手続
(4)保有する個人情報の取扱いに関する苦情の申出先
2 研究責任者は,原則として,ヒトゲノム・遺伝子解析研究の進捗状況及びその結果を,定期的に及び提供者等の求めに応じて説明し,又は公表しなければならない。ただし,被験者及び提供者等の人権の保障や知的財産権の保護に必要な部分については,この限りでない。

 (開示の求め及び苦情等の窓口)
第27条 学長は,被験者,提供者等からの開示の求め及び苦情等の問合せに適切に対応するため,窓口を設置する。
2 開示の求め及び苦情等の窓口は,総合企画戦略部研究推進課とする。

 (遺伝カウンセリング)
第28条 学長は,必要に応じ,適切な遺伝カウンセリング体制の整備又は遺伝カウンセリングについての説明及びその適切な施設の紹介等により,被験者及び提供者及びその家族又は血縁者が遺伝カウンセリングを受けられるよう配慮しなければならない。

 (必要な措置)
第29条 この規則等に違反し,又はそのおそれのあるヒトゲノム・遺伝子解析研究が計画又は実施されていることを知り得た者は,速やかに,部局長を経て,学長に報告しなければならない。
2 学長は,前項の報告を受けた場合,必要があると認めたときは,ヒトゲノム・遺伝子解析研究の制限又は中止その他必要な措置を講じなければならない。
3 学長,部局長及び研究責任者は,第1項の報告をしたことを理由として,その者に対して不利益な取扱いをしてはならない。
4 研究責任者は,ヒト由来試料及び個人に関する情報に不適切な取扱いがあった場合は,部局長を経て,速やかに学長に報告しなければならない。

 (盗難及び紛失時の措置)
第30条 ヒト由来試料又は個人に関する情報の盗難又は紛失を発見した者は,速やかに,部局長を経て,学長に報告しなければならない。
2 前項の報告を受けた学長及び研究責任者は,直ちに必要な措置を講じなければならない。必要なときは,委員会又は委員会の指名する関係者の協力を求めることができる。

 (事故及び災害時の措置)
第31条 研究責任者及び研究担当者は,被験者又は提供者の研究参加に際して,事故若しくは災害の発生又はそのおそれのあるときは,直ちに,適切な措置を講じなければならない。
2 研究責任者は,前項の事態が発生したときは,部局長を経て,学長に報告しなければならない。

 (庶務)
第32条 委員会の庶務は,総合企画戦略部研究推進課において処理する。

 (雑則)
第33条 この規則に定めるもののほか,必要な事項は,委員会の議を経て学長が別に定める。
 
 (改廃)
第34条 この規則の改廃は,委員会の議を経て学長が行う。

   附 則(平成18年7月25日)
 この規則は,平成18年8月1日から施行する。
  附 則(平成20年2月6日)
 この規則は,平成20年4月1日から施行する。
  附 則(平成24年10月23日)
 この規則は,平成24年10月25日から施行する。
  附 則(平成26年6月30日)
 この規則は,平成26年6月30日から施行する。
  附 則(平成26年8月28日)
 この規則は,平成26年8月28日から施行し,平成26年7月1日から適用する。
  附 則(平成28年9月30日)
1 この規則は,平成28年9月30日から施行する。
2 この規則の施行後,最初に任命される委員の任期は,第10条第1項の規定にかかわらず,平成29年3月31日までとする。
   附 則(平成29年5月15日)
 この規則は,平成29年5月15日から施行し,平成29年4月1日から適用する。
  附 則(令和2年3月13日)
 この規則は,令和2年4月1日から施行する。