IEEEから理工学研究科院生2名が
学生論文発表賞を受賞
 
 電気電子技術に関する国際的な学術組織であるIEEEのIEEE PES Japan Chapterでは、電力及び電力系統技術を研究する学生研究者の海外における論文発表を奨励し、その研究活動を助成する目的で、学生論文発表賞を設け、優秀な論文の海外発表者に賞状と副賞として賞金を授与している。その学生論文賞を、理工学研究科博士前期課程電気電子工学専攻1年次国仲涼さんと、坂元良成さんが受賞した。
 国仲さんの発表論文は「H∞制御理論による無効電力補償装置の制御法」であり、近年の電力系統の電力需要増加および電力設備の遠隔化に伴い電源設備が大容量化、長距離化及び重潮流化する傾向にあり、そのような状況下においても電力の安定供給が必要不可欠であることから、電力系統の安定度向上を課題とし、無効電力補償装置による電圧制御と電力動揺抑制を同時に達成する制御法を提案したものである。
 坂元さんの発表論文は「最小分散制御を用いた風力発電機のピッチ角制御による出力電力変動の抑制」であり、石炭・石油等の化石燃料の代替エネルギーとして、自然エネルギーの有効利用が注目されている中、風力発電については補助金制度や優遇政策等の成立により急速に導入量が増加しているが、風力エネルギーによる発電電力は不規則であり、風速変動により出力も大きく変動することが課題であった。そこで,この研究では大型風力発電機の出力電力変動抑制に有効なピッチ角制御に最小分散制御を適用した風力発電機のピッチ角制御法を提案している。
 受賞にあたって2者はそれぞれ次のようにコメントした。
 国仲さん:「小学校の時からずっと賞には縁がなく、今回が自分にとって初めての受賞だと言えます。最初の受賞がこのような大きなもので、大変光栄です。東京で授与式があったのですが、シンガポールでの論文発表も含め、そのような経験も初めてで記憶に残るものでした。これからの目標としては、更に大きな賞を狙いたいです。賞を貰うことが目的ではないのですが、研究努力の結果としてそうなれば嬉しいです。」
 坂元さん:「私は博士前期課程の1年次なのですが、国際学会における論文発表は、博士後期課程になってからが通常なので、まずこのような発表の機会を与えて下さった千住智信教授に感謝したいと思います。国際学会に参加して論文を発表することができ、更に賞まで頂けたことは本当に幸せです。賞を頂くということは他人からの評価ですので、言ってみれば自分の仕事が他の人に認められたということでもあります。これからもこの研究を継続したいと思います。」
国仲涼さんと(左)坂元良成さん(右)

 
平成16年度
大学等研究機関養成セミナー
 
 本学知的財産本部は、1月27日に、特許庁、沖縄総合事務局との共同主催により、平成16年度大学等研究機関養成セミナーを開催した。
 このセミナーは、平成16年度4月からの法人化と知的財産本部設置に伴い、知的財産権に関する理解を深めるため、山梨大学知的財産経営戦略本部ディレクター兼(株)山梨大学ティ・エル・オー取締役 田中正男氏を講師として招き、「大学における知的財産権の管理と活用について」の演題で開催し、教職員25名が出席した。
 冒頭、村山盛一理事(知的財産本部長)から「知的財産に関する知識を習得し、資質の向上を目指していただきたい」旨の挨拶があり、田中講師の豊富な知識と経験を基に、4時間のセミナーを受講者との質疑応答形式で行われ、活発な意見、多くの質問が飛び交い、盛況のうちに終了した。
講演を行う田中取締役
 

 
IODP大学&
科学館キャンペーンを開催
 
 2月10日、本学理系複合棟において、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)・日本地球掘削科学コンソーシアム(J−DESC)主催、本学・沖縄美ら海水族館共催、文部科学省後援で、「第6回IODP大学&科学館キャンペーン」公開講演会を開催した。
 IODP(Integrated Ocean Drilling Program統合国際深海掘削計画)は、日本と米国が中心となって推進される国際的な深海科学掘削計画であり、日本のニュータイプの大型掘削船「ちきゅう」と米国の従来型掘削船を活用して研究が進められる。この計画では、深海底を掘削して得られた岩石・堆積物などの試料の解析や、掘削孔を利用した様々な長期計測を通じて、地球規模の環境変動、地震発生のメカニズム、海底下に広がる未知の生物圏などの解明を進め、新しい地球科学・生物科学の創成を目指している。
 今回の公開講演会では、IODP計画の概要とともに地球科学・生命科学の最先端が紹介された。
 まず初めに平啓介監事による開会の挨拶があり、次にIODPについて、JAMSTECの木戸ゆかり氏からその科学目標、JAMSTECの巽好幸氏から掘削提案の実現に向けて、そして本学からカナダ バンクーバ沖での第1回調査に2ヶ月間参加した大学院理工学研究科博士後期課程1年次の野口拓郎さんが、その体験を報告した。野口さんはその中で、「国内では知り得ない人々とともに最先端の研究に触れることが出来た。若い学生にも是非参加してほしい。」と述べた。
 その後「ちきゅう」の解説、質疑応答があり、文部科学省研究開発局海洋地球課の田中康久深海地球探査企画官からの閉会の挨拶があった。参加者には学生の姿も目立ち、真剣な表情で話を聞いていた。
講演を行うJAMSTECの木戸氏
 なお、理系複合棟玄関ホールではIODP関連のパネル展示も行われ、来訪者にはパンフレット、ファイルケース等が配られた。また、翌11日には沖縄美ら海水族館で、小学生〜一般向けのイベントが行われた。
 
 
 
 
 
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