学報 2002.6・7

 

沖縄工業高等専門学校創設準備委員会が最終まとめ

 沖縄工業高等専門学校創設準備委員会(委員長:森田学長)は,6月5日,これまでの検討結果を「沖縄工業高等専門学校の創設について(最終まとめ)」として取りまとめた。
 沖縄工業高等専門学校の設置については,実践的技術者の育成が沖縄振興に大きな役割を果たす見地から,沖縄県をはじめ地元産業界等がかねてより強く要望していたものであり,また,平成11年12月末に閣議決定された「沖縄県北部地域の振興に関する方針」において,国立高等専門学校設置の確実な実現が盛り込まれたことを踏まえ,平成12年3月に本学に創設準備調査委員会を設置し,平成12年度からは創設準備委員会を設置して検討されてきた。 平成12年8月には,設置の理念,名称,学科構成等について「中間まとめ」が取りまとめられたが,その後,教育課程や方法,施設・設備等を検討する2専門部会を設置して審議を重ねてきた。
 4月10日に国立学校設置法が改正され,沖縄工業高等専門学校は本年10月に創設し,平成16年4月に学生を受け入れることとなり,創設の時期を控えこのたび検討結果を最終的に取りまとめられた。


「沖縄工業高等専門学校の創設について(最終まとめ)」の概要

T 検討の経緯

 沖縄県の振興において実践的技術者養成機関の果たす役割は極めて大きく,沖縄県をはじめ地元産業界等から,中学校卒業者を対象とした5年一貫教育により実践的技術者を養成する国立高等専門学校の設置について強い要請があり,また,平成11年12月末に閣議決定された「沖縄県北部地域の振興に関する方針」においては,国立高等専門学校設置の確実な実現が盛り込まれた。
 これらを踏まえ,平成12年3月,琉球大学に「国立高等専門学校(沖縄)創設準備調査委員会」が設置され具体的事項の検討を開始し,同年8月には「中間まとめ」を取りまとめ公表したところであるが,平成14年10月の創設を控え,このたび,沖縄工業高等専門学校の創設についての検討結果を最終的に取りまとめた。

 

U 最終まとめの概要

1.設置の趣旨等

(1)設置の趣旨

○高等専門学校の果たしてきた役割
  我が国の社会,とりわけ経済・産業の発展に有効に機能
○今日的な実践的技術者の必要性
  技術や知識のみならず,コミュニケーション能力や問題解決能力を兼ね備えた創造力溢れる実践的技術者が必要
○学習の多様化に対応する高等教育機関の整備
  学生生徒や学習意欲のある人々のニーズに適切に応え得る高等教育機関の整備が課題

(2)沖縄県に設置を必要とする理由

○ 経済産業界からの要請
○ 若年層の就職・就業の確保
○ 修学機会の確保及び能力等の多様化への対応

2.沖縄工業高等専門学校の概要

(1)名称等

○名称 沖縄工業高等専門学校
○位置 沖縄県名護市辺野古地区
○設置時期 平成14年10月 開学(法律上設置)平成16年4月 学生受入れ

(2)目的

 確固たる基礎能力と専門技術を有し,経済産業界の要請に的確に対応できる創造性溢れる実践的な人材を育成し,社会の発展に寄与することを目的とする。

(3)学科等

○学科名及び入学定員

情報通信システム工学科 40人
メディア情報工学科 40人
機械システム工学科 40人
生物資源工学科  40人
計        160人

○学科概要

  • 情報通信システム工学科
     電気・電子工学の基礎と情報通信工学及びコンピュータ関連の先端技術を教育研究し,情報通信産業分野の企業や一般企業の情報担当部門で,情報通信機器等の設計開発・製造,通信システムの開発・運用のできる実践的技術者を育成する。
  • メディア情報工学科
     今後の産業発展の基盤としての情報インフラ利用技術及びコンピュータを応用したマルチメディア処理技術について教育研究し,企業の高度情報化及び情報産業における新技術や商品の設計開発・制作のできる実践的技術者を育成する。
  • 機械システム工学科
     機械工学の基礎と加工技術,生産・品質管理技術,システム制御技術など「モノ」の設計・生産,開発・創造に必要な知識・技術を統合した教育研究を行い,製造業及び加工交易型産業の技術開発や生産ラインを支える実践力の高い技術者を育成する。
  • 生物資源工学科
     生物学,化学などの基礎分野に加え,生物化学,食品加工学さらに最新の製品化技術について教育研究し,亜熱帯性資源等をはじめとする生物資源を活用して加工・商品化,産業化し得る技術を有するとともに環境保全にも配慮できる実践的技術者を育成する。

(4)基本方針

○社会の変化に対応した教育課程と効果的な教育方法

  • 高等学校教育の使命を果たしつつ社会人として必要な人間教育と実践的技術者として必要な専門教育を効率的に実施
  • 国際化,情報化など社会の変化に柔軟に対応できる資質・能力を育む

○実践経験豊富な教員組織

  • 優れた知識及び実践経験を有する人材を広く各界から登用

○社会の要請を反映した運営

  • 各界の有識者による意見・助言を行う機関の設置

○地域等との密接な連携

  • 県内の大学,経済産業界,地域社会等との幅広い交流・連携

○国際社会への貢献

  • 国際社会でも活躍できる人材の育成

○高度な教育を行う専攻科の設置

  • 学生や社会のニーズに対応した専攻科の設置を目指す

(5)教育課程及び教育方法

○教育課程

 個性と素質を伸長させつつ,自立の精神,主体的な態度,幅広い教養を身につけさせ,国際社会の一員としての人間形成を促すと同時に,未来を担う技術者に必要な基礎能力と確かな専門知識及び技術,さらに生涯において自己学習できる力を身につけさせるため,実践的に学ぶ教育課程を編成する。

  • 国際化に対応し,外国語教育を重視
  • 情報化に対応し,情報処理教育の充実
  • 沖縄の地域性に根ざした起業家教育の推進

○教育方法

  • 技術者としての態度,精神と,自ら考え行動し創造的にモノづくりができる自発性を涵養する実験・実習・演習等を重視
  • 意欲や応用力,創造性など「設計力」を向上・発展させ,達成感を与える模擬学習や創造学習を導入
  • 専門や学年等を異にする学生を混在させて教育を行う混合学級の編成
  • 学習の充実,基本的な生活態度や社会性を身につけ人間的成長を促進させる教育寮を設置

(6)学習及び進路指導

○個別の学習指導の充実とともに,きめ細かな学習指導体制を確立
○産業界の協力も得て行うキャリアガイダンスや企業セミナー等を実施
○相談室やアドバイザーの設置など,十分な進路指導体制を整備
○就職対策協議会(仮称)の設置など,就職促進体制を整備

(7)地域社会との連携協力

○社会の発展に貢献し,県内の大学や地域社会,産業界との連携・交流を推進
○地域社会や産業界等との密度の濃い交流により,有為な人材育成と産業の発展及び創出に寄与
○生涯学習の場として,地域社会の技術者や住民との懇談の場を設置,学習需要に則した再教育及び公開講座等を実施

3.沖縄県,名護市,経済産業界等からの支援・協力

 本高等専門学校が沖縄県の振興に成果を挙げるには,沖縄県や名護市等地方公共団体や経済産業界及び地域社会からの支援・協力が不可欠であり,関係者のより一層のご理解とご尽力をお願いしたい。

※「最終まとめ」の全文は,琉球大学のホームページ(http://www.u-ryukyu.ac.jp/)
大学総合案内<沖縄工業高等専門学校創設準備室>に掲載。
http://www.u-ryukyu.ac.jp/old/kousen/kousen_top.html

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