学報 2001.5

国際交流の交差点

ハワイ大学並びに東西センターにおける国際交流
及び学生交流について

国際交流委員会委員長 吉田茂
総務部国際交流課長 門脇英雄
学生部留学生課長 横田永生

外国の大学等における国際交流及び学生交流の実態を調査し、同時に意見交換をするために平成13年3月18日から3月24日の日程で、アメリカ合衆国ハワイ州のハワイ大学並びに東西センター等へ出張しましたので、その概要を報告します。


ハワイ大学マノア校
(オアフ島):

1907年に創設されたハワイ大学はハワイ州主要六島のうち四島(オアフ、カウアイ、マウイ、ハワイ)に10キャンパス(大学3校と短大7校)を有する総合大学である。学生総数は48,650人、その構成は大学院学生5,000人、学部学生18,250人、短期大学学生25,400人である。
ハワイ大学全体で約2,000人の留学生がおり、このうち約77%(1,540人)がアジア諸国からの留学生、約8%(160人)が太平洋島諸国からの留学生である。日本からの留学生は約15%(300人)である。ハワイ大学は世界の多くの国々の多くの大学と学術交流ないし学生交流協定を結んでいる。交流協定はSystemwide Agreements, UH manoa Agreements, UH Hilo Agreements, UH Community College Agreements の4種類がある。ちなみに、琉球大学との交流協定はSystemwide AgreementsとUH manoa Agreementsのもとに行われている。 Systemwide Agreementsを結んでいる日本の大学は8大学あるが国立大学は琉球大学だけである。
School of Hawaiian, Asian and Pacific Studies はAsian StudiesとHawaiian Studiesの2つの学科からなっており、アジア地域とハワイを含めて広く太平洋地域の教育・研究を行っている。学生はアジア・太平洋島諸国に限らず、メインランドを含めて世界各国から来ている。本学部の附属センターである日本研究センター(日本に関するあらゆる分野の理解を総合的に深めていく目的で設立された)が琉球大学短プロへの学生の選考及び送り出し業務を担当している。琉球大学からの募集要項をもとにして募集要項を作成し、学内への掲示と同時に学部内の教官を通して学生への周知徹底を図っている。応募者は多く、その中から適任者を選考して推薦している。


ハワイ大学ヒロ校
(ハワイ島):


ハワイ大学ヒロ校は325acresにおよぶ広大なハワイ大学ヒロ校パーク内にあり、自然環境に恵まれている。同校アメリカ西部地域の法文系州立大学の中では過去3年間第3位にランク付けされた優秀な大学である。学生数は2,800人、1クラスの平均学生数は22人である。同校は4学部(College of Arts and Science, School of Business, College of Agriculture, College of Hawaiian Language)から構成されている。同校へはハワイ州内、メインランド及びアジアをはじめとする世界各国から多くの学生が来て学んでおり、在籍のまま、機会があれば積極的に外国の大学での交換留学生として送り出している。46の国々から総勢250人の留学生が学んでいる。日本語での募集要項も作っており、日本からの留学生も多数在籍している。同校と学術並びに学生交流協定を結んでいる国は4ヶ国(カナダ、日本、韓国、ニュージーランド)、4大学(1国1大学)である。なお、日本は名桜大学が交流協定を結んでいる。
ヒロ校に限らずハワイ大学システムの傘下にある大学、短大の収入は授業料(20%)と州政府からの補助(80%)で構成されている。したがって、授業料収入が減ると州政府からの補助も減る仕組みになっている。現在のヒロ校の学長は台湾系の人であり、自身がアメリカの大学で経験したこと(専門の知識は豊富であったが、英語力が弱く、専門科目と平行して英語力を付けたこと)を留学生に適用し、専門科目と平行して英語学習を取り入れることにより、多くの留学生を受け入れており、その積極的な姿勢が州政府に認められ、我々が訪問したときには法文系ビルの新築工事が行われていた。


カピオラニ短期大学
(オアフ島):


カピオラニ短期大学(学生数7,300人)は5つの学科(専門分野)から構成されているが、オアフ島の観光のメッカ、ダイヤモンドヘッドとワイキキビーチに隣接して設置されていることから、 Food Service and Hospitality Education , Hotel and Restaurant Operations, 及びTravel and Tourismがカリキュラムに組まれている。Food Service and Hospitality Education学科が人気が高く、大学としてもこの学科に力を入れている。州内はもとより、メインランド並びに世界各国から多くの若者が学びにきている。優秀な学生はハワイ大学の3年次への編入が認められている。


ハワイ東西センター
(オアフ島):


ハワイ東西センター(以下EWC)はアメリカとアジア並びに太平洋諸国が研究や調査活動を通して理解しよりよい関係をたもつことができることを期待してアメリカ議会によって設置された機関である。この設置目的を達成するために、調査、セミナーの開催、教育及び研修等を行っている。なお、EWCが奨学金を出して学位取得を目的としてハワイ大学で研究する制度もある。小渕沖縄教育研究プログラムは小渕奨学金、小渕国際交流国際基金奨学金、及び会議・その他の知的交流活動からなる。小渕奨学金はアジア・太平洋地域及びアメリカから来たEWCの学生とともに、ハワイ大学にて国際ビジネス及びアジア・太平洋研究を学ぶ、沖縄の若い大学院生を対象としている。初年度はこの奨学金で2人の大学院生の受け入れが決まっている。小渕国際交流国際基金奨学金はアジア・太平洋及び地球規模のあらゆる課題について、EWCの研究者と共同研究を行う沖縄の研究者を対象としている。初年度は3人の研究者(全て琉球大学の教官)の受け入れが決まっており、3月末にはEWCに着任の予定である。会議・その他の知的交流活動は沖縄とアジア・太平洋地域の教育・研究分野における関係強化を図るための知的交流活動である。この知的交流活動についてはロバート T. ナカソネ氏を中心にして計画を練っているところである。



ハワイ沖縄センター
(オアフ島):


ハワイ沖縄センターの設置に際してはハワイ州内外のウチナンチュをはじめとする多くの人々にお世話になった。ハワイ沖縄連合会はウチナンチュの心を広く伝えるためにハワイ州内外の色々な活動に積極的に参加している。来る11月の世界ウチナンチュ大会(沖縄県で開催)には同連合会のメンバー600人の参加が予定されている。ウチナンチュのハワイ移民等ハワイのウチナンチュに関する調査並びに資料収集等には同連合会として積極的に協力している。我々が訪問した時、ちょうど北谷町教育委員会文化課町史編集移民担当係(田場勝也氏)が同センターで調査・資料収集の最中であった。

最後に、本出張に助成金を交付していただいた、琉球大学後援財団、そして調査・視察に協力いただいたハワイ大学、東西センター、ハワイ沖縄連合会、国立天文台ハワイ観測所の方々に心から厚くお礼申し上げます。有り難うございました。