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小林峻 理学部博士研究員が日本植物学会若手奨励賞を受賞

2018/10/02 掲載


平成30年9月14日(金)より開催された日本植物学会第82回大会(広島)において、本学理学部博士研究員の小林峻さんが、日本植物学会若手奨励賞を受賞しました。

受賞研究課題は、「哺乳類媒植物ウジルカンダの送粉者の地域変異」です。沖縄ではイルカンダと呼ばれているマメ科の植物で、千原キャンパスでも中央生協近くでみることができます。植物の花の受粉には風や虫が関わっていることはよく知られていますが、ウジルカンダは哺乳類が重要な役割を担っています。小林さんは、九州、沖縄、台湾、タイで野外調査を実施し、ウジルカンダの花が哺乳類に適応した形質であることを明らかにするとともに、地域によってウジルカンダの受粉を行う哺乳類が異なっていることを明らかにしました。小林さんの研究は、動物生態学の手法を植物生態学に導入したもので、学術性に加えて学際性も高く評価されました。

[受賞講演内容]
“送粉者の代表は何といっても昆虫であるが,哺乳類に媒介される植物も数多く存在する.哺乳類媒植物の中で最も種数が多いのは,コウモリ媒である.マメ科トビカズラ属も主にコウモリ媒とされる分類群である.しかし,東南アジアから九州まで分布するウジルカンダの分布域には,植食性コウモリ類が分布しないにも関わらず,結実する地域がある.本種の送粉過程には,訪花した動物が花弁に圧力をかけたときに雄蕊と雌蕊が露出し,花弁に圧力をかけた動物に花粉を付着させる,explosive opening(裂開)と呼ばれるステップがある.裂開を行う動物(裂開者)は主な送粉者である.演者は,裂開メカニズムと送粉者の関係に注目し,植食性コウモリ類の分布する沖縄島とタイ,植食性コウモリ類の分布しない九州と台湾においてウジルカンダの送粉様式を明らかにしてリスやサルが送粉者であったことは,アジア域において非飛翔性哺乳類が植物の進化に大きく関与している可能性を示唆している.今後,哺乳類媒植物の研究において,アジアは極めて重要な地域となると考えている”
抜粋: 公益社団法人日本植物学会第82回大会実行委員会 “日本植物学会 第82回大会 研究発表記録”

表彰状を手にする小林峻さん

ウジルカンダとオオコウモリ