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医学科高山卓也さんの論文がHuman Pathology誌に掲載されました

2018年05月24日掲載


本学医学部医学科では、3年次の学生が約3ヶ月の期間、基礎、臨床にまたがる様々なラボにて研究を遂行する「医科学研究」のカリキュラムがあります。幅広い視野を育んでもらうため、海外も含めて学外のラボにおける研修も勧めております。

現在、医学科5年次の高山卓也さんが韓国ソウルのサムスン病院病理学教室で行なった研究が、診断病理学分野では世界上位レベルの雑誌であるHuman Pathology誌に掲載されました。

EBウイルスは多くの人が幼少時に感染し、症状がないまま潜伏感染しているウイルスです。稀ですが、このウイルスが原因で、悪性度の高い、「節外性NK/T細胞性リンパ腫」を発症する人がいます。この腫瘍の多くは、その腫瘍細胞の性質からリンパ球の一種であるNK細胞由来の腫瘍であると長く信じられてきましたが、遺伝子も含め詳細に確認した研究はありませんでした。

高山さんとサムスン病院の指導医であるKo Young-Hyeh博士はリンパ球の由来を特定できる蛋白である「TCR」の蛍光免疫染色を世界で初めて行い、それまでNK細胞由来と考えられていた症例の多くは、むしろT細胞という、別の種類のリンパ球が由来であることがわかりました。悪性腫瘍の由来となる正常細胞を同定することは診断面、治療面で大きなインパクトを与えます。この研究により節外性NK/T細胞性リンパ腫の病態の理解がさらに進むと思われます。

高山さんは本論文において最も貢献した研究者として筆頭著者となっています。さらに1月26、27日に箱根で開催された第14回日韓リンパ網内系ワークショップ2018では本論文の研究成果について英語で発表を行いました。

琉球大学医学部では医科学研究を通して、この様な貴重な経験をより多くの学生に味わってもらいたいと考えています。

蛍光免疫染色の図。EBウイルスを緑色(B)に、T細胞のマーカーであるTCRが赤色(C)に染まっています。両者を重ね合わせると、EBウイルスが感染している腫瘍細胞の多くがT細胞であることがわかります(D)。

(左から)Ko博士、高山さん、派遣元である
細胞病理学講座 加留部謙之輔 教授
第14回日韓リンパ網内系ワークショップ2018にて記念撮影