2011/02/02
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琉球大学 法文学部人間科学科社会学専攻 鈴木 規之(教授) nsuzuki@ll.u-ryukyu.ac.jp |
今日の世界ではグローバル化(地球が国境を越えて一体化していくような現象)が進行しています。国際社会学は、このようなグローバル化が人間や地域社会、国家などにどのような影響を及ぼしているのかを研究する学問です。私の研究室ではアジアからの留学生や研究者とともにタイ・ラオス、沖縄をフィールドとして国際社会学の研究を進めています。
私が初めてタイに行ったのは30年も前の大学生の頃でした。当時は「貧しい」「きたない」「危険」というイメージを多くの日本人がもっていましたが、流通し始めた格安航空券を使ってバックパッカーとして行ってみると、活気のある街と安くておいしいタイ料理、フレンドリーな人々に出逢い、卒業論文、修士論文、博士論文とこのテーマでの研究を続けていきました。途中で約4年間チュラロンコン大学に留学しました。この大学は琉球大学と学術交流協定を結んでいて、私の研究室からこれまで多くの学生が留学しています。
研究の内容は、(1)タイ社会の開発・発展のあり方を問い直す「オルターナティブな(もうひとつの)開発・発展」に果たす仏教の役割、(2)タイの開発・発展の主体は誰かを問う「市民社会形成」と、その基盤となる「プラチャーコム」と呼ばれる住民による小グループ、(3)グローバル化の進行とともに流入する日本文化商品(緑茶、カラオケ、J-POPなど)のタイの社会・文化への影響を分析する「ジャパナイゼーション」などです。
タイの隣にある内陸の小国がラオスです。ベトナム戦争終結後、鎖国的な政策をとってきましたが、1986年のチンタナカーン・マイ(新思考)のスローガンのもと、グローバル化の中での社会開発への道を踏み出すことになりました。琉球大学は1992年から医学部を中心に協力を開始、2009年には沖縄ラオス友好協会を通してラオス国立大学附属小学校新校舎を贈呈して教育における協力を開始しました。今は、ラオス国立大学(およびラオス健康科学大学)と琉球大学との協力ネットワークの形成を模索するアクションリサーチを行っています。
近年、グローバル化の影響を受けて地域に引っ越してくる外国人が増えてきました。沖縄の場合、昔、海外に移民した人たちの子孫が中南米やハワイなどから引っ越してくるケースも珍しくありません。さらに基地の外に住む米軍関係者も含めると沖縄市や北谷町、嘉手納町などは全国でもトップクラスの「外国人の多い街」なのです。その一方で、沖縄は人間同士のつながりを大切にし、自分の文化を守っていく気持ちがとても強い社会でもあります。そんな沖縄社会が外国人と出会ったら・・・?私たちは沖縄社会がたくさんの文化とどう付き合っているのか、また今後どう付き合っていけばよいのか、沖縄社会のいまと未来を見つめて研究しています。それが、「沖縄における多文化共生の研究」なのです。

農村の市民グループのリーダーへのインタビュー

タイの研究者との市民社会研究の成果

沖縄の多文化共生の研究成果

ラオスの小学生の子どもたちと

タイで売っている緑茶とタイ人留学生
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