自然から学ぶ(4):ヤエヤマアオキ(ノニ)から飲みやすい健康飲料
平成24年2月1日掲載
平成22年度の人口動態調査結果(厚労省)によると、出生数から死亡者数を引いた自然増がマイナス123,000人となり人口減少傾向が加速してきた。人口減と高齢化により労働力人口も減少の一途である。労働力が減少すると生産性が低下する、或いは生産そのものができない為に、若い労働力を求めて企業は海外に進出する。そうすると国内の産業空洞化が進行し、更に、国内総生産(GDP)の低下があり、又、元気がなくなる・・・、という負のスパイラルに落ち込み、益々元気のない日本になる。
先の不幸な大震災・大津波、原発災害を一つの契機として日本は新しい社会構造、産業構造をつくっていかなければならない。それには、数百万人に上る団塊世代の活用が一つの鍵である。この世代は60歳を超えているがまだまだ元気であり、多くの知識・経験・ネットワークを持つ。団塊パワーを日本の復興に役立てる仕組み作りが重要である。 沖縄ではその傾向が更に強く要注意である(図2)。肺がんはサイレントキラー(静かな殺し屋)と呼ばれる様に初期では殆ど痛みやその他の症状がなく静かに進行する怖い病気である。
団塊の世代、気は若くても体がついていかない場合がある。そういう時には健康食品の助けがいる。沖縄にはノニジュースが健康によく飲用されている。しかし、それは独特の臭いの為に広く普及していない。ヤエヤマアオキ(ノニ)(図1、Morinda citrifolia L.)は、熱帯原産の植物でアカネ科ヤエヤマアオキ属に属し、多くの有効成分を含みこれを活用することは健康の面や沖縄の産業にも極めて有用なことである。
熱帯生物圏研究センターの松﨑吾朗教授の研究チームは、飲みにくいという欠点を解決する為に、ノニ果汁の脱臭・脱色の検討を行い、ノニの有効成分であるGABA(γ-アミノ酪酸)やジアセチルアスペルウロシディック酸(図2)はそのまま残して、独特の臭いや褐色の色は除去することに成功した。従来もこうした研究は行われていたが活性炭処理していた為に有効成分まで除去することになっていた。松﨑教授らは特殊な吸着樹脂を探索して、目的にあった方法を見出した。図3には処理前後の果汁の色を示すが本発明の脱色処理によりすばらしく改善されていることがわかる。従って、飲用にするにしても非常に飲みやすくなったとの評価を得ている(表1)。本発明によって得られたヤエヤマアオキエキスにはラットの関節炎の治療効果も確認されており(図4)、前述の団塊世代やその上の世代の今後の活躍を体力面から後押しすることができる。
本発明の果汁、エキスは、飲みやすいように脱色・臭処理を行っており、そのままでも或いは他の飲料や食べ物に混ぜても飲食可能である。菓子などに添加しても健康食品として十分に効果がある。ノニ飲料・食品の効用を見直し、需要を喚起したいものである。
国立大学法人琉球大学 産学官連携推進機構 知的財産部門 近藤義和
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※参考「琉球大学教員シーズ集」(http://www.u-ryukyu.ac.jp/coalition/kenkyu_kaihatsu/seeds/index.html )
