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“亜熱帯特有”とっておきの知財(3)

自然から学ぶ(1):ローヤルゼリーの威力を活かした自己免疫疾患治療

平成23年12月19日掲載


1.やっかいな自己免疫疾患

人間の病気や事故は自己外物からの攻撃によって引き起される。インフルエンザやその他の感染症、或いは交通事故も然り。従って、マスクや消毒等で外敵を防御する。しかし、「自己免疫疾患 は自分自身の防御組織(免疫)が自分自身(細胞や組織)を外敵と認識して攻撃すると言う真に厄介なものである。即ち、治療の為には極端に言えば自分を殺さねばならないという自己矛盾に陥るが、それはできない為に治療も困難な場合が多い。代表的な自己免疫疾患としてはリューマチ、筋無力症、全身エリストマーデス、ベーチェット病等があり、多くは難病に認定されている。根本的な治療法は少なく対症療法にとどまる。症状が重くなると投薬量も期間も長くなり、副作用や金銭的な負担が重く、QOL(Quality of life)も大きく低下する。

2. 蜂蜜(ローヤルゼリー)の効果に着眼した自己免疫疾患治療薬(PCT/JP2008-63145)

蜂蜜は古くから病気治癒・健康維持や美容のために用いられてきた。又、蜂蜜の花の種類によって大きな薬効を有するものもある。佐藤良也名誉教授は多くの花の種類から採取した蜂蜜、特にローヤルゼリーの効用に注目して医療に生かすことを試みてきた。図1は代表的な自己免疫疾患の全身性エリテマトーデス(SLE)を起こさせたマウスにローヤルゼリーを与えた場合、生存率が大幅に上がることを示す。図2はローヤルゼリー投与後に抗核自己抗体や抗赤血球自己抗体産生量が抑制されて自己免疫疾患の予防につながるデータである。図3はSLE発症後の病変改善効果を示す(いずれも、PCT/JP2008-63145掲載図より引用)。この方法により予防・治療が期待される疾患は、橋本病、グレープス病、潰瘍性大腸炎、自己免疫性萎縮性胃炎、突発性アジゾン病、男性不妊病、自己免疫性無精子症性睾丸延、抗糸状球体基底膜病、抗尿細管上皮病、循環免疫複合体型糸球体腎炎、皮膚筋炎、重症性無力症、尋常性天疱瘡、水泡性類天疱瘡、交感性眼炎、多発性硬化症、自己免疫性溶血性貧血、突発性血小板減少性紫斑病、突発性心筋症、リューマチ性心内膜症、ベーチェット病、シェグレン症候群、インスリン依存性自己免疫性糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、全身性エリマトーデス、関節リューマチなどであるとされる。

医食同源。いい食事をして健康に長らえる。本当に理想的なことである。蜂蜜或いはそこから抽出されるローヤルゼリーを食することで色々な疾患を予防していけたらこれほど幸せな人生はないのではないだろうか。 本発明者の佐藤名誉教授は今年3月医学研究科教授を定年退職され、引き続き本学の理事として、本学の研究や大学の社会貢献に尽力いただいている。

国立大学法人琉球大学 産学官連携推進機構 知的財産部門 近藤義和
(TEL:098-895-8598 Email:kondoyos@lab.u-ryukyu.ac.jp)

※参考「琉球大学教員シーズ集」(http://www.u-ryukyu.ac.jp/coalition/kenkyu_kaihatsu/seeds/index.html )

図1: SLE自然発症マウスの生存に及ぼすローヤルゼリー(RJ)投与効果. 生存期間が大幅に延びる.
図1: SLE自然発症マウスの生存に及ぼすローヤルゼリー(RJ)投与効果. 生存期間が大幅に延びる.

図2: SLE自然発症マウスの自己抗体産生に及ぼすローヤルゼリー(RJ)投与効果.
図2: SLE自然発症マウスの自己抗体産生に及ぼすローヤルゼリー(RJ)投与効果.

図3: SLE自然発症マウスの腎炎発症後のローヤルゼリー(RJ)投与による効果. RJ投与により死亡マウスが大幅に減少する
図3: SLE自然発症マウスの腎炎発症後のローヤルゼリー(RJ)投与による効果. RJ投与により死亡マウスが大幅に減少する.

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