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十代の潜在能力

2017年07月18日掲載


 将棋の最年少プロ棋士・藤井聡太四段(14歳)の公式戦29連勝を達成したという快挙に、久しぶりに胸のすく思いがしました。残念ながら、30連勝は出来ませんでしたが、30年ぶりに連勝記録を塗り替えたのは、素晴らしい!の一言に尽きます。羽生善治王座が述べたように、「将棋界の新しい時代の到来を象徴する出来事」でした。

 藤井四段の29連勝は、歴代記録であること、30年ぶりの快挙であること、ご本人が中学生棋士であること、プロデビュー戦からの連戦連勝であったこと、対戦相手に格上の先輩棋士たちが含まれていたこと、10時間前後の持久戦を堂々と戦っていること、などなど賞賛に値する項目が並びます。

 将棋の世界での連勝記録は、神谷広志八段(56歳)の28連勝、丸山忠久九段(46歳)の24連勝、塚田泰明九段(52歳)や羽生善治王座(46歳)の22連勝というように、ベテランのプロ棋士によって達成されています。そのような中で、藤井四段は「将来のスーパースター」(神谷八段)の潜在力をもった十代ということが出来ます。

 藤井四段は、「ここまで連勝できるとは夢にも思っていなかったので、本当に運が良かった」(日本経済新聞、2017.6.22)とあくまでも謙虚であり、人間力も備えた十代といってよいかと思います。同日の日経が「終盤にずば抜けた強さ」、「危うい局面を何度も逆転」と指摘していて、稀代の本格的実力派が檜舞台に躍り出たなと実感します。その証拠の一つが、詰め将棋を解く速さと正確さを競う詰将棋解答選手権での3年連続(2015年~2017年)の優勝でしょう。

 ところで、今年の6月24日の新聞紙上にもう一人の中学生の活躍が報じられていました。カザフスタンの首都アスタナで若手音楽家の登竜門とされる「第10回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール」チェロ部門で、中学生の北村陽さん(13歳)が1位となりました。

 同コンクールは、世界三大音楽コンクールの一つであるチャイコフスキー国際コンクールのジュニア版です。北村さんは、4歳から音楽教室でチェロを始めたそうですが、藤井四段も幼少期から将棋を指していたということです。それぞれの潜在能力は小さいときから培われてきたといえます。

 スポーツ界でも、水泳、スキー、フィギュアスケート、ゴルフなどの種目で十代のアスリートが活躍しています。たいへん頼もしい限りです。2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会での活躍が楽しみです。

 琉球大学は、十代の潜在可能性を引き出して、将来の科学技術イノベーションを引っ張っていく傑出した人材を育成するために、高い意欲や突出した能力を持つ小中学生を発掘し、彼等の能力を伸ばすための体系的な取組を始めます。科学技術振興機構(JST)の支援を受けた、「ジュニアドクター育成塾」がそれです。全国では、琉大を含め長崎大や愛媛大など10機関が採択されました。

 小中高大接続によって、限りない可能性を秘めた十代の能力をどのように開花させるか、琉大の挑戦がここから始まります。企画名は、「美ら海・美ら島の未来を担う科学者養成プログラム」です。自然科学分野において非凡な才能を持つ小学5年生~中学3年生を発掘し、その個性や能力を育成する取組です。琉大では、自然科学や最先端研究などについての基礎知識を学んだ後に、理学部、工学部、農学部などの研究室で小中学生が大学生や大学教員らと一緒に研究を進めることになっています。

沖縄の豊かな自然、科学で挑戦する未来づくりに関心のある児童・生徒の皆さん、是非、本学のホームページをご覧ください。「求む!未来の博士」