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マルタ紀行(その1)

2017年06月07日掲載


愛玩犬・マルチーズ(Maltese dog)の原産地はどこかと聞かれて、マルタ島(Malta)と答えられるでしょうか。Malteseは、マルタ人、マルタ語という意味でもあります。わが国ではマルタといえばネコで有名ですが、日本や沖縄ではマルタについてまだまだ広く知られていないように思います。

2016年12月に、地中海のマルタ共和国を15年ぶりに訪問する機会がありました。用務は、RETI(島嶼大学間ネットワーク)のメンバーとして一連の行事に参加するためでした。滞在期間中、地中海式気候のマルタでは、めずらしく雨が降り続いていました。年間降雨量が300mm程度の所ですが、その大半がその2~3日のうちに降ったことになります。

RETIの構成大学は26大学ですが、アジア地域からは本学が唯一の参加校です。島嶼に所在する大学として、 カリアリ大学(イタリア・サルディニア島)、サッサリ大学(イタリア・サルディニア島)、パレルモ大学(イタリア・シチリア島)、ハイランド&アイランド大学(英国・スコットランド)、キプロスオープン大学(キプロス共和国)、イオニア大学(ギリシャ・イオニア諸島)、クレタ大学(ギリシャ・クレタ島)、エーゲ大学(ギリシャ・レスボス島)、グラン・カナリア・デ・ラス・パルマス大学(スペイン・カナリア諸島)、ラ・ラグーナ大学(スペイン・カナリア諸島テネリフェ島)、バレアレス諸島大学(スペイン・バレアレス諸島マジョルカ島)、コルシカ大学(フランス・コルシカ島)、アンティル大学(フランス・アンティル諸島)、レユニオン大学(フランス・レユニオン島)、ニューカレドニア大学(仏領ニューカレドニア)、フレンチポリネシア大学(仏領ポリネシア)、アコレス大学(ポルトガル・アゾレス諸島)、マディラ大学(ポルトガル・マディラ島)、マルタ大学(マルタ共和国)、カーボベルデ大学(カーボベルデ共和国)、アンタナナリヴ大学(マダガスカル共和国)、プリンスエドワードアイランド大学(カナダ)、プエルトリコ大学リオ・ビエドラス校(米領プエルトリコ)、シエンフエゴス大学(キューバ)、琉球大学(日本・沖縄)がメンバー校です(順不同)。

RETIの会長は、ハイランド&アイランド大学(スコットランド)のC.マルホランド学長です。島嶼地域に所在する大学が、島の抱える課題解決や教育研究の発展について、それぞれ情報を共有し、どのように連携していくかを議論する場です。マルタでの会合では、島の観光開発と人材育成がテーマでした。今年度は、11月に本学で総会とオータムスクールを開催する予定です。

さて、15年ぶりのマルタは、EUの一員になり、人口は13.2%(38万人から43万人へ)増えて、名物だったバスは新調され、グジラ地区からスリマ地区に至るウォーターフロントがきれいに整備されていました。観光関連産業で国の経済が成り立っていることもあって、観光客数は着実に増えていました。しかし、車の数が多く、交通量が増え、基盤となる道路は相変わらず凸凹が多く、バス運転手の荒っぽさも15年前と変わっていませんでした。

新しいマンションが出来たりしていましたが、町並みは15年前と基本的に変わっておらず、以前住んでいたフラット(アパート)やその周辺の店、パン屋などもタイムスリップしたように、当時の雰囲気がそのまま残っていました。そもそも、マルタの街全体が中世の面影を残したまま存続していて、島まるごと世界歴史文化遺産になっていますので、マルタに来ると時間が止まっているように感じました。

マルタには、イギリスのストーンヘンジよりも古いと言われる先史時代の巨石文化が残っています。templeと呼ぶ巨石でできた遺跡群が、ゴゾ島を含め数カ所存在しています。地中海のステップ・ストーンといわれたマルタは、その立地特性ゆえにさまざまな文化や人種が行き交いした痕跡を残しています。

冷戦終結の碑(筆者撮影、2001年)

碑文には
MALTA
GEORGE BUSH   MIKHAIL GORBACHEV
23 XII 1989
END OF THE COLD WAR
と記されている。

1989年12月にマルタ島沖のクルーズ船で米ソ首脳会談(Malta Summit)が行われた。
これをもって東西冷戦は終結したとされる。