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「うりずん」の頃

2017年5月18日 掲載


今この文章を書いている5月では少し時期が過ぎてしまったのですが、沖縄では、2月から4月にかけての季節を、「うりずん」と呼んでいます。ネットで調べてみると、『「潤い初め(うるおいぞめ)」が語源とされる。冬が終わり大地に潤いが増してくる時期(2~4月)のことをいう。』などと検索できます。

冬の乾いた暗い空が徐々に明るさを増し、南岸低気圧がもたらす春雨によって大地が潤い、若葉が芽吹いてきたり、虫たちが活発に動きはじめたりして、目には見えない万物のエネルギーを感じさせる季節でもあります。

さて現実にもどって、琉球大学にとって、この時期は、西普天間住宅跡地への医学部及び附属病院の移転を確実に進めるために、例年、政府が策定する「骨太の方針」にそのことを明記してもらうべく、沖縄県知事及び宜野湾市長と三者で、首相官邸をはじめとする政府の要職の方々に要請を行う大事な時期でもあります。本年度も去った5月10日に要請してまいりました。

さて、この西普天間への医学部及び附属病院の移転は、単なる医学部キャンパスの移転にとどまらず、これまで琉大医学部が地域の医療水準の維持と向上に貢献してきたこと、すなわち、先進的な医学研究を推進するとともに、診療面では沖縄県で唯一の特定機能病院としての機能を基礎に、離島医療を含む完結型地域医療の確立にも貢献してきたこと、医学部の前身である保健学部時代からの半世紀にわたって、5,000人を越える高度な医療人材を輩出してきたこと等の実績を踏まえて、さらなる高みを目指して沖縄の振興に応えるべく進めているものです。

沖縄振興策は、初期のころの道路や港湾・空港等の整備といったインフラ中心から、人材養成や貧困対策を含めたソフト面へと新たなフェーズに突入してきました。沖縄県の人材養成機関の一つである琉球大学は、今こそ持てる真価を発揮するときなのです。

沖縄県の人材育成の要としての自負を持ちつつも、奢らず昂ぶらず、しかしこの絶好の時機を逃さず、着実にその役割を果たしたいと熱く心に秘めて、学長として本学の舵を執りたいと思うこの頃です。