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投票について

2016年07月07日掲載


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公職選挙法等の一部を改正する法律によって、18歳選挙権が2016年7月10日投票の参議院議員選挙から行使できるようになりました。憲法改正の国民投票権年齢が「18歳以上」に引き下げられたことに伴い、選挙権年齢も「18歳以上」へ引下げる措置です。70年ぶりの改定だそうです。

今回の法改正によって、すべての大学生が選挙権を持つことになりましたが、有権者/主権者として自覚し、せっかくの権利を放棄することのないようにしたいものです。各種選挙で投票率が芳しくない傾向にある昨今、若い世代の政治参加によって、世の中を変えていくことができれば、素晴らしいことではありませんか。


ところで、去る6月23日にイギリスのEU離脱を問う国民投票がありました。投票結果は、EU離脱支持者が過半数を占め、イギリスのEU離脱が決まりました。この決定を受け、国際金融経済は大きく反応しました。

この国民投票をめぐっては、ブレグジット(Brexit=Britain+Exit;英国+離脱)という新語ができました。戦後、一貫して統合を進めてきたEU(European Union;欧州連合)において、逆の作用が働きました。今後、EUの中で離脱組が増えるのか、それとも結束力が強まるのか、世界中が注視しているところかと思います。

国民の多数が支持したイギリスのEU離脱でしたが、選挙直後からブリグレット(Bregret=Britain+Regret:英国+後悔)やブラクシデント(Braccident=Britain+Accident:英国+不幸な出来事)等という新造語も現れました。このようなことを言っているイギリス人は、残留希望者であったことは容易に想像できますが、離脱派の中にも後悔や不幸な出来事と思っている人が多数いるようです。

今回の国民投票の結果を踏まえ、その要因として指摘されているのが、EUの一員であるがゆえに、ヒト(移民、雇用)やモノ(貿易)の面で不利益を被り、制度面でも国家主権が発揮できないことに対する否定的な世論の心情の現れであるということです。しかし、同じ要素でも、企業やビジネスマンから見ると、一般国民の心情とは対照的に肯定されることもあります。ここに、EUをめぐる残留と離脱の両グループの見解の相違があります。


投票に関しては、フランスの数学者コンドルセが発見したとされる投票のパラドクス(逆理)や米国の数理経済学者K.アローが証明した、社会的選択に関するアローの不可能性定理があります。さらには、イギリスの経済学者J.M.ケインズが金融市場における投資家の行動パターンを表現した美人投票という言葉があります。

ここでは詳しく触れませんが、たとえば、美人投票というのは、投票者は「自分が美人と思う人に投票するのではなく、平均的に美人と思われる人を予想して投票する」ということです。すなわち、投票に当たって、自分の意見や考えではなく、他の人が投票するであろう人気の人に投票するということですので、最多得票の人がそれに相応しい人であるかどうかは、必ずしも言えないことになります。

各種選挙において、BregretやBraccidentにならないように、自分の考えで貴重な1票をしっかり投じたいものです。そのようにして選ばれた人が、きっと社会を良くしてくれることでしょう。