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法文学部・遠藤光男教授が、2010年度日本基礎心理学会優秀論文賞を受賞


遠藤光男教授
遠藤光男教授

「2010年度日本基礎心理学会優秀論文賞」選考委員会は、このたび、優秀論文賞2篇を発表し、その内の1篇に、法文学部人間科学科人間行動専攻の遠藤光男教授の論文「顔の部品検出に及ぼす全体情報の効果」(遠藤光男・桐田隆博・阿部恒之:基礎心理学研究第29巻、第2号掲載)が決定した。


評価内容(基礎心理学研究第30巻、第1号より抜粋)

顔処理における部分処理vs全体処理は、顔認知研究にとって大きな問題である。そもそも多岐にわたる顔処理の水準の中で、顔の何の情報を処理するかにより、必然的に処理の様相も変わるところがある。本論文では、顔認知の初期過程である、目鼻口といった「顔の部品の検出」に焦点をあて、5つの実験から丁寧にその処理の様相を調べ上げている。第1実験から、顔の部品検出という顔認識の初期過程がパート・ベースではなく、顔の文脈による促進効果があることが示され、それが目鼻口の中でも特に目において強いことが示された。

続く4つの実験から、顔の全体情報による促進効果が、顔の示差性(目立ちやすさ)・顔の既知性・倒立による影響を受けないことが明らかにされた。

第5実験では、これまで使用された顔写真に加え、新たに線画の顔と家を用いた部品検出課題を行い、窓の部品検出には文脈による促進効果がないことを示し、部品検出における文脈効果が顔独自であることを示すことに成功している。

さらに、文脈の部品をスクランブルさせると促進が減衰することも確認し、部品の空間配置が重要であることを示している。

複数の実験を緻密に積み上げることにより、「顔の部品検出」が初期課程であるにもかかわらず全体処理の促進効果があり、そこには顔の目立ちやすさや既知性といった、より深い処理は関与していないことが明らかにされた。その論理の展開なども評価される論文であった。